沖縄で暮らしていると、航空機の騒音は避けて通れない問題です。テレビの音が聞こえない、電話中に会話が止まる、子どもが昼寝から起きてしまう。特に嘉手納飛行場や普天間飛行場の周辺にお住まいの方にとっては、毎日のことです。
国(沖縄防衛局)には住宅防音工事の助成制度があります。ただ、実際にご相談をいただくと「うちは対象じゃなかった」「申し込んだけれど何年も待っている」という方がとても多くいらっしゃいます。
このページでは、まず国の制度の対象条件を正確に整理し、そのうえで「対象外だった場合に窓でできること」をご説明します。

まず前提:このページの内容と、国の助成制度の関係について
はじめに、はっきりとお伝えしておきます。
このページでご案内するのは、国の住宅防音工事の助成制度とは別に、お客様ご自身の費用で行う内窓(二重窓)の設置です。現時点で当店は、国の助成制度による住宅防音工事の請負は行っておりません。
沖縄防衛局も注意喚起していますが、国が工事請負業者や設計事務所を指定・斡旋することは一切ありません。「防衛局から来ました」「国の指定業者です」といった営業には十分ご注意ください。
国の制度についてのご相談は、沖縄防衛局 企画部 住宅防音課(098-921-8150)が正式な窓口です。
国の住宅防音工事とは
「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」第4条にもとづき、自衛隊や在日米軍の飛行場の運用に伴う航空機騒音の障害を防止・軽減するために、国が住宅の防音工事を助成する制度です。
沖縄県内では、嘉手納飛行場周辺と普天間飛行場周辺が対象となっています。
対象区域は「第一種区域」と呼ばれ、現在指定されている区域は、騒音のうるささを表すW(WECPNL)という指標で線引きされています。区域によって工事の内容が変わります。
- 80W以上の第一種区域=第Ⅰ工法。計画防音量25dB以上。天井・壁を防音仕様に改造し、防音サッシを取り付けます。冷暖房機は最大4台まで(既にエアコンがある居室は対象外)。
- 75W以上80W未満の第一種区域=第Ⅱ工法。計画防音量20dB以上。天井・壁は原則そのままで、防音サッシの取り付けが中心です。冷暖房機は最大2台まで(既にエアコンがある居室は対象外)。
ご自宅が区域に入っているかどうかは、沖縄防衛局の「縦覧図」で確認できます。金武出張所でも嘉手納飛行場の縦覧図を閲覧できます。
対象になるのは「決められた日までに建てられた住宅」だけです
ここが、もっとも多くの方がつまずくところです。
第一種区域の中にあっても、すべての住宅が対象になるわけではありません。区域が指定された時点(告示日)までに建っていた住宅が対象です。
| 対象地域 | 対象となる住宅の建築時期 |
|---|---|
| 嘉手納飛行場周辺 | 昭和58年3月10日までに建築された住宅 (85W以上の区域は平成20年3月10日まで) |
| 普天間飛行場周辺 | 昭和58年9月10日までに建築された住宅 |
つまり、嘉手納周辺で言えば昭和58年より後に建てた家、普天間周辺なら昭和58年9月より後に建てた家は、原則として制度の対象外になります。
なお、区域指定の時点で建っていた住宅を取り壊して建て替えた場合は、取り壊した時の所有者または居住者の方であれば、建て替え後の住宅で対象になることがあります。詳しくは沖縄防衛局にご確認ください。
那覇空港の周辺は、まったく別の制度です
ここまでご説明したのは、沖縄防衛局が行う法4条の住宅防音工事です。この制度の対象は嘉手納飛行場周辺と普天間飛行場周辺の2施設だけで、那覇空港は含まれていません。
ただし「那覇空港の周りには何もない」という意味ではありません。那覇空港の周辺には、根拠となる法律も窓口も異なる別の住宅防音工事の助成制度があります。窓口は防衛局ではなく市役所です。
- 那覇市:環境部 環境保全課が窓口です。県道231号より空港側の区域で、昭和57年3月30日以前に建てられた住宅などが対象とされています。平成27年5月1日に指定された区域(赤嶺二丁目、宇栄原一丁目・三丁目、高良一丁目・二丁目)もあります。
- 豊見城市:住宅騒音防止対策事業として実施されています。市役所へお問い合わせください。
こちらも区域と建築時期で線引きがありますので、対象外になる住宅は当然出てきます。その場合の考え方は、嘉手納・普天間の周辺とまったく同じです。
制度の対象から外れてしまう5つのケース
ご相談の中で実際に多いのが、次のパターンです。
① 告示日より後に建てられた住宅
上記のとおりです。平成・令和に建てた家は、区域の中にあっても対象になりません。
② 第一種区域の外にある住宅
75W未満の地域は対象区域に含まれません。区域の境界のすぐ外側でも、飛行コースによっては十分うるさく感じます。
③ 居室数の上限を超える部屋
防音工事の対象となる居室数には上限があります。初めて防音工事を行う場合(一挙防音工事)は、世帯人員+1居室まで、最大でも5居室が限度です。工事の区分によって基準は異なります。書斎や在宅ワーク用の部屋、子ども部屋が増えたといったケースでは、上限を超えた部屋は自費になります。
④ すでにエアコンが設置されている居室
防音工事の補助でエアコンを設置できるのは、現地調査でその居室にエアコンが無いことが確認できた場合のみです。すでに付いている部屋は対象外です。なお、ご自身で設置されたエアコンの故障や能力低下は補助の対象になりません。
⑤ 防音工事から10年経っていない場合の機能復旧
防音サッシや空調の機能復旧工事は、住宅防音工事が完了した日から10年を経過していることが条件です。10年未満では対象になりません。
対象でも「2〜3年待ち」になることがあります
意外と知られていないのが、順番待ちです。
沖縄防衛局のQ&Aにも明記されていますが、希望届を提出して受理通知が届いてから、交付申込書が配布されるまでに相当の期間、およそ2〜3年を要する場合があるとされています。
そこから現地調査、交付決定、設計事務所と工事請負業者の選定、契約、工事という流れになります。「申し込んだからもうすぐ」という話ではありません。
その間の生活をどうするか。ここが、内窓が現実的な選択肢になる場面です。
重要:防衛局の防音工事をした部屋に手を加える前に、必ずご確認ください
これは必ずお読みください。
沖縄防衛局は「防音工事を実施した居室をリフォームした場合、後の防音工事や機能復旧工事の対象とならなくなってしまう場合がある」と明記しています。
つまり、すでに国の防音工事を受けたお部屋に、良かれと思って自費で内窓を入れると、将来の機能復旧工事(防音建具は100%補助、空調は原則90%補助)が受けられなくなる可能性があるということです。
当店では、国の防音工事を受けたお部屋についてご相談をいただいた場合、まず沖縄防衛局へご確認いただくようお願いしています。お客様が損をする工事はお受けしません。
一方で、防音工事の対象になっていないお部屋(居室数の上限を超えた部屋など)であれば、この心配はありません。
対象外だった場合、内窓(二重窓)で何ができるのか

音がいちばん入ってくるのは窓です
住宅の中で音が最も出入りするのは、壁でも屋根でもなく開口部、つまり窓です。壁がコンクリートでも、窓が1枚ガラスのアルミサッシであれば、そこから音が入ってきます。国の防音工事でも、外部開口部への防音サッシ取り付けが工事の中心に据えられているのはこのためです。
内窓は「空気層」で音を止めます
内窓は、今ある窓の内側にもう1枚の窓を取り付ける工法です。窓が2重になることで、間に空気の層ができます。この空気層が音の振動を伝わりにくくします。あわせて、サッシとサッシの間の隙間が二重に塞がれることで、隙間から漏れ入る音も減らせます。
効果の出方は、現在の窓の状態、部屋の構造、騒音の種類や大きさによって変わります。どのくらい変わるかは、現地を見せていただいたうえで正直にお伝えします。
工事は最短1日、壁や天井を壊しません
国の防音工事は天井や壁の改造を伴うため、工期も生活への影響も大きくなります。内窓は今ある窓を残したまま内側に取り付けるため、壁や天井を壊す必要がなく、1か所あたり短時間で完了します。お部屋の数によりますが、最短1日での施工が可能です。
内窓で防音するときに押さえるポイント

ガラスの選び方で効果が変わります
内窓のガラスには複数の種類があります。防音を重視する場合と、断熱を重視する場合とで適した仕様が異なります。当店ではYKKAPのプラマードU・ウチリモ、LIXILのインプラス、大信工業のプラストをすべて取り扱っています。沖縄県内で3大メーカーを揃えているのは当店だけです。ご予算と目的に合わせてお選びいただけます。
既存の窓との間隔をとる
内窓と既存窓の間隔が広いほど、空気層が厚くなります。設置できる奥行きには住宅ごとに制約がありますので、現地調査で確認します。
気密が命です
どれだけ良い製品を使っても、取り付けが甘くて隙間が残っていれば音は入ってきます。当店は受付から現地調査、施工まですべて自社で行う完全自社施工です。下請けに丸投げしません。
防音だけでなく、暑さと電気代も同時に解決できます
内窓を入れると、音と一緒に熱の出入りも抑えられます。
沖縄は1年の大半をエアコンに頼る地域です。窓の断熱性能が上がると、冷やした空気が外に逃げにくくなり、エアコンの効率が良くなります。騒音対策のつもりで入れた内窓が、電気代にも効いてくるということです。
さらに、窓まわりの結露やカビの発生を抑えやすくなり、既存窓と内窓の二重ロックで防犯性も上がります。1つの工事で複数の悩みが同時に解決するのが、内窓の一番の特徴です。

内窓には国の補助金が使えます
騒音対策で入れる内窓であっても、断熱性能の条件を満たせば先進的窓リノベ2026事業の補助対象になります。
1住戸あたり最大100万円。内窓1か所あたりの補助額は、戸建住宅で最大140,000円、マンション・集合住宅で最大152,000円です。
当店は本事業の登録事業者ですので、申請はすべて当店が代行します。締め切りは「2026年12月31日」ではなく「予算がなくなった日」ですので、お早めにご相談ください。詳しくは沖縄で使える補助金のページをご覧ください。
対応エリア
嘉手納飛行場・普天間飛行場の周辺市町村をはじめ、沖縄県全域に対応しています。
嘉手納飛行場周辺:嘉手納町、沖縄市、北谷町、読谷村、うるま市、金武町、宜野座村、恩納村 ほか
なお、市町村の全域が第一種区域というわけではありません。ご自宅が区域に入っているかどうかは、沖縄防衛局 住宅防音課(098-921-8150)へご確認ください。
よくあるご質問
うちは防音工事の対象か、そちらで調べてもらえますか?
区域の判定は国が行うものですので、当店ではお答えできません。沖縄防衛局 住宅防音課へお問い合わせください。当店にご相談いただけるのは、内窓での対策についてです。
賃貸アパートですが内窓は付けられますか?
オーナー様の承諾があれば設置できます。原状回復の相談も含めて承ります。
マンションですが管理組合の許可は必要ですか?
内窓は専有部分の内側に設置するため、多くの管理組合で認められています。ただし規約はマンションごとに異なりますので、事前の確認が必要です。管理組合へ提出する書類の作成もお手伝いしています。
部屋ごとに1か所からでも頼めますか?
可能です。まずは寝室だけ、という方も多くいらっしゃいます。
どのくらい静かになりますか?
建物の構造や現在の窓の状態によって変わりますので、数字だけを一律にお約束することはしていません。現地を見せていただいたうえで、期待できる範囲を正直にお伝えします。
まずはご相談ください
「防音工事の対象外だと言われた」「順番待ちの間だけでも何とかしたい」「寝室だけでも静かにしたい」。どんな入り口でも構いません。
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