「沖縄の窓の防犯対策」を調べると、たいてい「侵入口の55%は窓」という数字にたどり着きます。ただ、この数字をそのまま沖縄のお住まいに当てはめると、対策の順番を間違えてしまうことがあります。55%はあくまで一戸建て住宅の数字で、共同住宅の多い沖縄では事情が少し違うからです。
このページでは、警察庁が公表している統計をもとに、沖縄のお住まいで窓と玄関のどちらから手を付けるべきかを整理します。窓・ドアリフォームの専門店として、私たちにできることと、できないことも正直に書きました。

沖縄の犯罪認知件数は4年連続で増えています
まず、沖縄県の状況から見てみます。警察庁の統計資料によると、沖縄県の刑法犯認知件数は令和3年に5,833件まで下がったあと、令和4年6,776件、令和5年9,124件、令和6年9,578件と4年連続で増えています。令和3年と令和6年を比べると約64%の増加です。
同じ期間の全国の刑法犯認知件数は568,104件から737,679件へ、約30%の増加でした。沖縄の伸び方は全国のおよそ2倍のペースということになります。(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」令和7年8月)
ここで正直にお伝えしておくと、この9,578件は空き巣に限った数字ではなく、あらゆる刑法犯を合計したものです。侵入窃盗だけを沖縄県単位で切り出した公表データは見当たりませんでした。ですので「沖縄で空き巣が◯%増えた」とは申し上げられません。ただ、県全体として犯罪が増える傾向にあることは、住まいの備えを見直すきっかけとしては十分だと考えています。
「侵入口の55%は窓」は一戸建て住宅の数字です
よく引用される「窓55%」の出どころは、警察庁の防犯情報サイト「住まいる防犯110番」です。ただし、この数字は住まいの形ごとに大きく変わります。令和5年の侵入口の構成比は次のとおりです。
| 住まいの形 | 窓 | 表出入口(玄関) | その他の出入り口 |
|---|---|---|---|
| 一戸建て住宅 | 55.2% | 20.2% | 14.8% |
| 共同住宅(3階建て以下) | 38.9% | 46.7% | 2.9% |
| 共同住宅(4階建て以上) | 24.3% | 61.5% | 1.1% |
一戸建てでは窓が過半数を占めますが、4階建て以上の共同住宅では窓は24.3%まで下がり、代わりに玄関からの侵入が61.5%と最も多くなります。同じ「住宅」でも、狙われる場所がまったく違うわけです。
沖縄は共同住宅が多い県。だから玄関の比重が上がります
ここが沖縄で気をつけたいところです。総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、沖縄県は住宅に占める共同住宅の割合が60.9%で全国2位。全国平均を大きく上回っています。さらに沖縄の住宅は非木造が96.5%を占め、その大半が鉄筋コンクリート系の建物です。
つまり、沖縄では「窓さえ守れば安心」という全国向けのセオリーが当てはまらないお住まいが多いということです。マンションやアパートにお住まいなら、窓と同じか、それ以上に玄関ドアを見直す価値があります。集合住宅の玄関ドアについては沖縄の集合住宅・マンションの玄関ドアリフォームのページで詳しくご説明しています。戸建てのお住まいなら玄関ドアのカバー工法もあわせてご覧ください。
いちばん多い手口は「無締り」。お金をかける前にできることがあります
侵入の手口を見ると、もっと意外な事実が出てきます。令和5年の手口別の構成比では、一戸建てで無締り46.3%、ガラス破り35.8%。共同住宅(3階建て以下)では無締り49.9%、ガラス破り18.5%。共同住宅(4階建て以上)では無締り41.6%、合鍵20.2%、ガラス破り10.2%です。
どの住まいでも1位は「無締り」、つまり鍵が掛かっていなかったケースです。リフォームを生業にしている私たちが言うのも妙な話ですが、いちばん効くのは費用ゼロの習慣です。次の3つだけでも見直してみてください。
- 在宅中でも、人のいない部屋の窓には鍵を掛ける
- ゴミ出しや近所への買い物など、短時間の外出でも施錠する
- 就寝時にベランダ側の窓を開けたままにしない
沖縄は気候が良く、風を通したくなる日が多い土地です。エアコンが効かないときや西日で室内が暑いときに窓を開ける習慣がある方は、なおさら閉め忘れが起きやすくなります。窓を開けなくても過ごしやすい室内にすることは、遠回りに見えて防犯にもつながります。
留守のときだけではありません。約3割は人が家にいるときの侵入です
「空き巣対策」という言葉から、留守中のことだけを心配される方が多いのですが、統計はそうなっていません。令和6年の住宅を対象とした侵入窃盗16,000件の内訳は、空き巣11,048件、忍込み4,122件、居空き830件でした。
忍込みは家族が就寝している夜間の侵入、居空きは在宅中のすきをついた侵入です。この2つを合わせると4,952件、全体の約31%にあたります。3件に1件近くは、人が家にいるときに入られているということです。(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」より当社算出)
夜、寝室の窓を開けて眠る習慣がある方は、この数字を一度気に留めていただければと思います。
「5分」が分かれ目|警察庁のCP部品という考え方
建材の防犯性能には、国が関わった共通のものさしがあります。「5分間、こじ開けや打ち破りに耐えられるかどうか」という基準です。この耐えられる時間を抵抗時間と呼び、5分以上であることが試験で確認された建物部品が「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」として認定されています。
なぜ5分かというと、警察庁の資料では、5分以内に侵入できなければ約7割の侵入者が犯行をあきらめるとされているためです。認定品はドア・錠・サッシ・ガラス・ウインドウフィルム・面格子・窓シャッター・雨戸など17種類、3,478品目にのぼります(2024年6月20日現在)。
大事なのは「侵入を完全に防ぐ製品」ではなく「時間を稼ぐ製品」だという点です。CP部品を入れたから絶対に入られない、という言い方はできません。そこは正直にお伝えしておきます。
内窓(二重窓)は防犯にどう働くのか、正直にお話しします
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内窓を付けると、窓が「サッシ2枚・ガラス2枚・鍵2か所」の状態になります。外から侵入しようとすれば、単純に手間と時間が二重にかかることになります。前の項でご説明した「時間を稼ぐ」という考え方に沿った変化です。
ただし、ここははっきり申し上げます。内窓は本来、断熱と結露と防音のための製品です。すべての内窓がCP部品として認定されているわけではありませんし、「内窓を入れたので何分もちます」といった数字を私たちがお約束することもできません。防犯を主目的にされるなら、内窓だけで完結させるのではなく、後述する面格子やシャッター、玄関の錠前と組み合わせて考えていただくのが誠実だと思っています。
一方で、断熱・結露・防音の目的で内窓を検討されている方にとっては、防犯面の手間が増えるのは素直な副産物です。沖縄の内窓(二重窓)のページに、暑さ・寒さ・結露・防音・防犯・省エネの6つの観点をまとめてあります。
沖縄ならではの落とし穴①|塩害でクレセントが効かなくなる

沖縄でお住まいを拝見していて、本土ではあまり見かけないと感じるのが、金物の劣化の早さです。海が近いお宅では潮風の影響でクレセント(窓の中央にある回転式の鍵)やレールに腐食が進み、動きが渋くなっていることがあります。
渋いクレセントは、途中まで回して「掛かったつもり」になりやすいのが厄介なところです。前の項でご説明したとおり、侵入手口の1位は無締りでした。鍵を掛けたつもりで掛かっていない窓は、統計上いちばん多い入り口をわざわざ開けているのと変わりません。
ご自宅の窓を一度、順番に回してみてください。引っかかる窓、最後まで回りきらない窓があれば、それは点検のサインです。玄関ドアも同じで、沖縄では塩害でドア本体や枠の傷みが進んでいるお宅が少なくありません。窓のリフォームのページに、交換を考えるタイミングの目安をまとめています。
沖縄ならではの落とし穴②|外階段・ピロティと台風の前後
沖縄の集合住宅は、1階部分を駐車場にしたピロティ形式や、外廊下・外階段の建物が多くあります。構造としては合理的なのですが、防犯の目線では、道路から各戸の玄関前や共用廊下側の窓に近づきやすいという面があります。「2階だから大丈夫」と考えていた窓が、実際には階段や庇(ひさし)を伝って手が届く位置にあることもあります。
台風の前後も注意したい時期です。養生のために雨戸やシャッターを動かしたあと、元に戻し忘れたまま何日も過ぎてしまう。台風が去った直後に窓を全開にして換気をして、そのまま出かけてしまう。どちらも沖縄では起こりがちな流れです。
台風のあと、屋根や庇の上に飛来物が残っていないかも見ておいてください。踏み台になるものが窓の下に置かれていないかという視点は、防災と防犯の両方に効きます。
面格子・雨戸・シャッターという選択肢
窓そのものより手前で止める方法もあります。CP部品の認定対象には面格子・窓シャッター・雨戸も含まれています。特に、浴室やトイレの小窓、勝手口まわりの窓は、人目につきにくく、普段あまり気にされない場所です。ここに面格子が付いていない、あるいは古い面格子がビス留めのままになっているお宅は珍しくありません。
ただし沖縄では、面格子やシャッターも塩害で劣化します。「付いているから安心」ではなく「今も本来の強度が残っているか」で見ていただくのが実際的です。現地でお住まいを拝見すれば、どの窓から手を付けるべきかをご一緒に整理できます。
マドアーズ!沖縄にできること・できないこと

私たちは窓とドアのリフォーム専門店です。お引き受けできるのは、内窓(二重窓)の設置、窓サッシの交換、ガラスの交換、玄関ドアのカバー工法、面格子・雨戸・シャッターまわりの相談といった、建物の開口部に関わる工事です。
反対に、次のものは当社ではお引き受けしていません。
- ホームセキュリティ(警備会社との契約が必要な駆けつけサービス)
- 防犯カメラ・センサーライトの設置工事
- 玄関の錠前だけの交換や、鍵の紛失時の解錠
これらは警備会社や鍵の専門業者の領分です。窓の相談のついでに一括で、とお声がけいただくことがあるのですが、専門外のことを無理にお受けしても良い仕事にならないため、そのときは正直にお伝えしています。
また、効果についても数字でのお約束はいたしません。「何分もちます」「これで侵入されません」といった説明は、建物の造りや窓の位置で条件が変わるため申し上げられないからです。現地を見せていただいたうえで、正直にお伝えします。
費用と補助金について
内窓や窓の交換は、国の住宅省エネ支援事業の対象になる場合があります。防犯目的の工事そのものが補助されるわけではありませんが、断熱性能を満たす製品を選べば、結果として費用を抑えながら窓を新しくできることがあります。
制度の内容と対象については沖縄の窓リフォーム補助金と先進的窓リノベ2026事業(沖縄)にまとめてあります。工事の費用感は料金のページを、実際の仕上がりは施工事例をご覧ください。ご相談から工事までの流れはこちらのページにまとめています。
基地周辺にお住まいの方へ
基地の周辺では、防音のために窓を閉め切って過ごすお宅が多く、その分だけ換気で窓を開けるタイミングが集中しがちです。防音工事や助成の対象になるかどうかも含めて、基地・航空機騒音の防音対策のページで整理しています。防音と防犯は別の話ですが、窓の開け閉めという一点でつながっています。
まずは窓を1周、見て回るところから
このページの内容を、最後に短くまとめます。
- 「窓が55%」は一戸建ての数字。共同住宅の多い沖縄では玄関の比重が上がる
- 手口の1位はどの住まいでも無締り。費用ゼロの習慣がいちばん効く
- 住宅への侵入の約3割は、人が家にいるときに起きている
- 建材のものさしは「5分の抵抗時間」。完全に防ぐのではなく時間を稼ぐ
- 沖縄は塩害でクレセントや面格子が傷む。掛けたつもりの窓に注意
まずは費用のかからないところから、ご自宅の窓を1周、順番に鍵を回してみてください。そのうえで、動きの渋い窓や、面格子のない小窓、傷んだ玄関ドアが見つかったときに、私たちの出番があるのだと思っています。
沖縄県内であれば全域にお伺いします。那覇市・沖縄市・うるま市・浦添市・宜野湾市をはじめ、離島を除く各市町村に対応しています。よくいただくご質問はFAQのページに、ご相談はお問い合わせフォームからお願いいたします。窓のことでも玄関のことでも、まずは現状をお聞かせください。