台風や強い北風の夜、窓のあたりから「ヒューヒュー」「ピーピー」と笛のような音がする。網戸がガタガタ鳴って眠れない。閉めているのに、カーテンがふわっと動く。沖縄では、そんな夜が珍しくありません。
「窓が壊れたのかな」「古いから仕方ないのかな」と思う方も多いと思います。実は、音の出どころによって原因も対処も変わります。調整だけで静かになる場合もあれば、窓の性質上、完全には消せない音もあります。
このページでは、音の種類ごとの見分け方、ご自分でできる見直し、窓まわりで変えられること、そして窓では解決しないことを、順番にお伝えします。
風の日に窓が鳴るのは、なぜ?
窓は、閉めたとき枠と戸(障子)の間を、薄い樹脂やゴムの「気密部品(パッキン)」でふさいでいます。YKK APのよくあるご質問では、風が強いときや換気扇を使っているときに、この気密部品と枠や障子の接触部分を空気が通り抜けて、笛を吹くのと同じしくみで音が出ると説明されています。これを「笛鳴り」と呼びます。高層マンションのように、いつも風が吹き抜ける場所でも起こることがある、とも書かれています。
また、YKK APのご案内では、引違い窓のすき間風も同じ考え方です。風が吹くと室内外に気圧の差ができ、気密部品の接触部分から空気が出入りします。
窓の気密性能はJIS(日本産業規格)の等級で示されます。YKK APのご案内によると、等級は空気の出入りの量の上限を定めたもので、空気の出入りを完全にゼロにすることまでは規定していません。住宅用の引違い窓は一般にA-3またはA-4等級とされ、A-3は窓1平方メートルあたり1時間に8立方メートル以下、A-4は2立方メートル以下です。つまり、多少のすき間風は仕様の範囲内の場合があります。
沖縄の住まいと風
沖縄の住宅は、非木造が96.5%、鉄骨鉄筋コンクリート造が93.8%、共同住宅が60.9%です(令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点、令和7年3月)。鉄筋コンクリート造のマンションやアパートは、戸が強い風を直接受ける向きや階数になりやすく、ベランダ側のサッシで風の音を感じる方もいらっしゃいます。ただし、どの階・どの向きでどのくらい鳴るかは、建物や窓の種類で変わります。
音の種類で、原因を見分ける
まず、どんな音が、どこから出ているかを確かめます。
| 音の様子 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| ヒューヒュー・ピーピーと笛のよう | 気密部品の接触部分を空気が通る「笛鳴り」。窓各部の調整不足でも起こりやすい(YKK AP) | 戸が傾いていないか、クレセントがしっかりかかるか |
| 戸がガタガタ・カタカタ揺れる | 戸車の高さのずれ、クレセントの引き付け不足 | 閉めた戸を手で押して、動くか |
| 網戸だけがガタガタ鳴る | 網戸の戸車のずれ、はずれ止めの不具合など | 網戸だけ外して窓を閉め、音が変わるか |
| 換気扇をつけると鳴る | 室内が負圧になり、すき間から空気を引き込む(LIXIL) | 換気扇を止めると静かになるか |
| 窓の近くではない場所から聞こえる | 窓以外(換気口、ベランダの手すり、外壁など) | 窓を開けても音が続くか |
出典:YKK AP「よくあるご質問」、LIXIL「よくあるご質問」をもとに作成。
LIXILのよくあるご質問でも、窓や玄関などから「ヒューヒュー」と笛のような音がする原因の一つとして、窓やドアを閉め切って換気扇を使うと室内が負圧になり、外の空気がわずかなすき間から入って笛鳴りが起きることを挙げています。気密性の高い住宅で起こる自然現象で、製品の不具合とは限らない、とされています。
今日からできること
ここでは、メーカーの公式情報で確認できた内容だけを挙げます。
1. 空気の入り口を作る
YKK APのご案内では、調整しても直らないときは、室内の建具を少し開けてください、換気小窓がある場合は50mm程度開けると音が静かになる、とされています。LIXILのよくあるご質問でも、窓を少し開けて空気の吸入口を確保する、通気口がふさがれていないか確かめる(家具の移動やフィルターの掃除)といった方法が挙げられています。換気扇を回したときの笛鳴りには、とくに試しやすい方法です。
2. 戸車とクレセントを見直す
YKK APでは、ガタツキやすき間風が気になるときは戸車を調整することをすすめています。「引違い窓のカギ(クレセント)がかかりにくい」場合の原因としても、クレセントの位置のずれやねじのゆるみ、戸車の高さのずれが挙げられています。クレセントは上下に、クレセント受けは左右に調整できます。戸車を調整したあとにクレセントの調整が必要になることがあります。
LIXILのよくあるご質問では、引違い窓のすき間風を次のように整理しています。
- 上枠:気密材のずれ・ねじれ・へたりを確認する
- 戸先側・両サイド:戸が傾いていれば、戸車で高さを合わせる
- 召合せ部(戸が重なる中央):クレセントの本体や受けの位置を調整して、引き付けを強める
- 下側:戸車で戸を下げ、下枠とのすき間をなくす
- 召合せ上部・中央部:風止め板部品や気密ピースのへたり・外れを直す
調整の手順はメーカーや製品シリーズで異なります。お使いの窓のメーカーの取扱説明書やウェブサイトの図を確かめてください。YKK APは、商品を調整するときに電動ドライバーを使わないように案内しています(商品の不具合や破損の原因になるため)。
3. 網戸の「はずれ止め」と戸車
YKK APのよくあるご質問によると、スライド網戸の「はずれ止め」は、強風などで網戸が脱落・落下するのを防ぐための部品です。網戸が動きにくい場合の原因として、はずれ止めがセットされていないこと、戸車の高さが合っていないこと、戸車がレールに乗っていないこと、下枠やレールにゴミがたまっていることが挙げられています。まず、はずれ止めのセットと、レールの掃除から確かめるのが近道です。戸車のすり減りや網戸の反りなどの場合は、施工した会社や販売店への相談が案内されています。
4. 窓を閉め、鍵をかける
台風の前は、鍵のかかりも確かめてください。
すき間テープについて
ホームセンターで売られているすき間テープを窓に貼る方法があります。ただし、今回確認したメーカーの公式情報では、貼り方や貼ってよい場所を確認できませんでした。貼ることで窓の開閉が重くなったり、クレセントがかかりにくくなったりする場合もあります。貼る前に、窓のメーカーや施工店に聞いておくと安心です。
窓まわりで変えられること
気密部品の交換・調整
気密部品がへたっている、外れている場合は、部品の交換や再取り付けで状態が変わることがあります。LIXILのよくあるご質問でも、風止め板部品や気密ピースのへたり・外れを直すことが、すき間風への対処として挙げられています。部品はメーカーや型式ごとに違うため、施工店や管理会社に相談するのが確実です。
窓の入れ替え(換気小窓付きの窓など)
LIXILのよくあるご質問では、笛鳴りへの対策の一つとして、換気かまち付きの窓や、風を通せるドアへの交換が挙げられています。
内窓(二重窓)
今の窓の室内側にもう一つ窓を付ける工事です。窓まわりの空気の入り方や音の感じ方は、窓の種類や建物で変わります。ただし、風の音について、内窓が笛鳴りをどのくらい減らすかを示すメーカーの公式な数字は、今回確認できませんでした。そのため、効果を言い切ることはできません。現地で窓の状態や音の出方を確かめてからお伝えします。詳しくは内窓とはをご覧ください。
カバー工法
古い枠の上に新しい枠をかぶせて窓を入れ替える方法です。枠や戸の傷み、ゆがみが大きい窓に向く場合があります。窓のカバー工法で説明しています。内窓とカバー工法の違いは内窓とカバー工法にまとめています。
窓では解決しない・向かないケース
次のような場合は、窓を替えても、音が残ることがあります。
- 換気扇や換気口が原因の音:換気扇を使うと、空気が入り口を探して、すき間から入ってきます。吸気口を作ることが先です(LIXIL・YKK APの案内)。
- 自然現象としての笛鳴り:YKK APのご案内にあるとおり、笛鳴りは自然現象の一種で、完全になくすことはできません。小さくできる場合がある、という範囲です。
- ベランダの手すり、物干し竿、エアコンの室外機まわりなど、窓以外のもの:窓を開けても音が続く場合は、窓の問題ではありません。
- 外壁や雨どい、建物の隙間:こちらは建物全体の問題で、管理会社や施工会社の領域です。
- 窓の状態がよい場合:調整済みで、気密部品も傷んでおらず、JISの範囲内のすき間風であれば、窓の工事で変えられる範囲は限られます。
音の出どころが分からないときは、無理に窓の工事をすすめず、まず現地で確認します。
賃貸・マンションの場合
賃貸住宅やマンションでは、窓やサッシは建物の共用部分にあたり、勝手に交換できないことが多いです。管理会社や大家さん、管理組合に「風の強い日に窓から笛のような音がする」と相談するのが最初の一歩です。管理会社が気密部品の交換や調整をしてくれる場合があります。
内窓は、既存の窓を変えずに付けられる工事です。それでも、事前の承諾や、退去時の原状回復の取り決めを確かめておく必要があります。賃貸でできることとマンションの内窓に、確認する点をまとめています。
迷ったときの見分け方
- 音は換気扇をつけたときだけ鳴る。→ 吸気口の確保(窓を少し開ける、換気小窓を開ける)から。
- 戸がガタガタ動く、クレセントがかかりにくい。→ 戸車とクレセントの調整。
- 網戸だけが鳴る。→ はずれ止め、戸車、レールの掃除から。
- 窓を開けても音が続く。→ 窓以外が原因の可能性。
- 調整しても鳴る、部品が傷んでいる。→ 施工店・管理会社へ相談。メーカーのお客様相談室も窓口です。
- 台風のたびに窓の音や揺れが心配。→ 台風と窓も合わせてご覧ください。
よくあるご質問
窓の笛鳴りは、完全になくせますか?
YKK APのよくあるご質問では、自然現象の一種で、完全になくすことはできないとされています。対策で音を小さくできる場合がある、という整理です。
古い窓のすき間風は、気密部品を替えれば止まりますか?
気密部品のへたりや外れが原因なら、状態が変わる場合があります。ただし、窓の気密性能の等級は、空気の出入りをゼロにするものではありません(YKK AP)。戸車やクレセントの調整不足が原因のこともあります。
網戸だけ外せば静かになりますか?
網戸が音の原因なら静かになる場合があります。ただ、強風で網戸が外れたり落下したりしないよう「はずれ止め」が付いているので、外す・つけるときは取り外し方の手順を確認してください(YKK AP)。
自分で調整して、直らなかったときは?
YKK APは、調整しても改善しない場合は、施工した建築会社、施工店、管理会社、販売店、またはお客様相談室に相談するよう案内しています。クレセント本体が動かない、受けが曲がっているといった場合も同様です。
現地を見せていただいてから、正直にお伝えします
音の原因は、窓だけとは限りません。調整や部品の交換で済む場合もあれば、窓以外が原因で、窓の工事では変わらない場合もあります。マドアーズ!沖縄では、現地を見せていただいたうえで、窓の工事が向いているかどうかを正直にお伝えします。窓が原因ではないと分かった場合は、そのようにお伝えします。現地調査とお見積りは無料です。料金は料金のページ、お問い合わせはお問い合わせから。
このページで参照した資料
- YKK AP「よくあるご質問」強風時の窓の笛鳴りについて、引違い窓のすき間風について、クレセントがかかりにくい場合、戸車・クレセントの調整、スライド網戸の不具合(各ページ。閲覧:令和8年10月)
- YKK AP「よくあるご質問」窓やドアの気密性能について(閲覧:令和8年10月)
- LIXIL「よくあるご質問」窓や玄関などの開口部から「ヒューヒュー」と笛のような音がする、引違い窓から隙間風が入ってくる(閲覧:令和8年10月)
- 令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点(総務省統計局・沖縄県、令和7年3月31日)

