沖縄で暮らしていると、押入れの奥が黒ずんでいた、エアコンをつけている部屋の壁だけ湿っぽい、サッシの下に水がたまる——そんな経験をされた方は多いと思います。本州の方に話すと「沖縄は暖かいのに結露するの?」と驚かれますが、沖縄の結露は本州としくみが違うだけで、確かに起きています。

このページでは、気象庁の平年値や国の統計といった一次データをもとに、沖縄でなぜ結露とカビが起きるのかを整理しました。そのうえで、窓リフォームの専門店として「窓まわりでできること」と「窓では解決できないこと」を、正直に分けてお伝えします。

沖縄の結露は「冬の窓」ではなく「夏の冷房」で起きています

結露と聞いてまず思い浮かぶのは、冬に暖房の効いた部屋で窓ガラスが曇る、あの光景ではないでしょうか。外が冷たく、室内が暖かく湿っているとき、冷たいガラスに触れた空気が水に戻る。本州ではこれが結露の主役です。

ところが沖縄では事情が変わります。気象庁の平年値(統計期間1991〜2020年)によると、那覇の1月の平均気温は17.3℃、日最低気温でも14.9℃です。外がそこまで冷えないので、冬に窓ガラスが盛大に曇るという場面はあまり起こりません。

代わりに沖縄で主役になるのが、夏の冷房による結露です。高温多湿の空気が、冷房で冷やされた面に触れる。すると本州の冬とまったく同じ理屈で、その面に水がつきます。冷やされているのが窓ガラスなのか、壁なのか、押入れの中なのかが違うだけです。

この「夏に起きる」という点が、沖縄の結露対策が本州向けの情報とかみ合わない、いちばんの理由だと考えています。

那覇は1年のうち8か月、外の空気が「湿度70%超」です

同じ気象庁の平年値から、那覇の月ごとの平均気温と平均相対湿度を並べてみます。

平均気温平均相対湿度
1月17.3℃66%
2月17.5℃69%
3月19.1℃71%
4月21.5℃75%
5月24.2℃78%
6月27.2℃83%
7月29.1℃78%
8月29.0℃78%
9月27.9℃75%
10月25.5℃72%
11月22.5℃69%
12月19.0℃67%
年平均23.3℃73%
出典:気象庁「那覇(沖縄県)平年値(年・月ごとの値)」統計期間1991〜2020年

湿度が70%を超えているのは、3月から10月までの8か月間です。年平均でも73%あります。

ここで比べたいのが、国が定めている室内環境の基準です。建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)では、一定規模以上の建物の空気環境について、相対湿度を40%以上70%以下に保つことが管理基準とされています。住宅にそのまま適用される基準ではありませんが、「人が過ごす室内として望ましい湿度の上限は70%あたり」という目安にはなります。

つまり那覇では、1年の3分の2にあたる8か月間、外の空気そのものがその上限を上回っている、ということになります。

数字で見る、那覇の露点温度は6〜8月に約24〜25℃

結露を考えるときに、いちばんわかりやすい数字が露点温度です。空気に含まれている水蒸気が水に戻り始める温度のことで、「この温度より冷たい面があれば、そこに水がつく」という境界線だと思っていただくとイメージしやすいと思います。

気象庁は平年値として蒸気圧も公表しています。那覇の平均蒸気圧は6月で29.9hPa、7月で31.1hPaです。この値から露点温度を求めると、次のようになります。

平均蒸気圧露点温度の目安
1月13.3hPa約11℃
4月19.5hPa約17℃
6月29.9hPa約24℃
7月31.1hPa約25℃
8月30.9hPa約25℃
10月23.5hPa約20℃
気象庁の平年値(蒸気圧)から算出。数値は目安です。

6月から8月にかけて、那覇の露点温度はおよそ24〜25℃です。エアコンの設定温度を26℃にしていても、部屋のなかに24℃を下回る面がひとつでもあれば、そこには水がつきうる、ということになります。

本州の冬の結露は「窓ガラスだけが冷たい」状況で起きますが、沖縄の夏の結露は「部屋のあちこちが冷たくなりうる」状況で起きます。だから場所が特定しにくく、気づいたときにはカビになっている、ということが起こります。

沖縄県内の住宅に内窓(二重窓)を取り付けた施工例。既存の窓の内側にもう一枚窓を入れて空気の層をつくっている様子

沖縄の住宅の93.8%は鉄骨・鉄筋コンクリート造です

もうひとつ、沖縄ならではの事情があります。住まいの構造です。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査を沖縄県がまとめた資料によると、県内で人が住んでいる住宅のうち非木造が96.5%、そのうち鉄骨・鉄筋コンクリート造が93.8%を占めます。全国では木造が54.0%ですから、ちょうど逆の姿です。さらに、共同住宅(マンション・アパート)の割合は60.9%で、東京都に次いで全国で2番目の高さです。

コンクリートは木材より熱をためこみます。日中に日射で温まった壁は夜になっても温かいままですし、逆に冷房で冷やされた壁は、エアコンを止めてもしばらく冷たいままです。この「冷たい面が長く残る」という性質が、結露にとっては不利に働きます。

出典:沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)

家のなかで結露しやすい場所を、順番に見ていきましょう

  • 窓ガラスとサッシまわり:アルミサッシは熱を伝えやすく、冷房で冷えた室内側の枠に水がつきます。レールに水がたまり、ゴムパッキンが黒くなります。
  • 北側の部屋:日が当たらないため面の温度が上がりにくく、湿気も抜けにくい場所です。
  • 押入れ・クローゼットの奥:閉め切っていて空気が動きません。壁の裏側が外気に接している場合は特に注意が必要です。
  • 家具の裏、壁との隙間:空気が動かず、壁面が冷えたままになりやすい場所です。
  • エアコンの吹き出し口の周辺:冷たい風が直接当たる天井や壁のクロスに出ることがあります。

共通しているのは「冷たい」と「空気が動かない」の2つがそろっている、という点です。どちらか一方だけであれば、多くの場合カビまでは進みません。

「窓を開けて換気」が沖縄では逆効果になる時期があります

湿気の対策として、まず換気を思い浮かべる方は多いと思います。基本としては正しいのですが、沖縄では時期によって注意が必要です。

先ほどの数字を思い出してください。6月の那覇は、外の空気の平均相対湿度が83%、露点温度は約24℃です。この空気を、冷房で冷やした部屋に入れるとどうなるでしょうか。冷えた面に触れた瞬間、その面に水がつきます。つまり、湿気を追い出すつもりで開けた窓から、湿気を招き入れてしまうことがある、ということです。

一方で、11月から2月にかけては外の湿度が66〜69%まで下がります。この時期は窓を開けての換気がよく効きます。沖縄の湿気対策は「いつでも換気」ではなく「時期で使い分ける」ほうが、実情に合っています。

  • 湿度の低い時期(11月〜2月):窓を開けて空気を入れ替えます。
  • 湿度の高い時期(3月〜10月):窓は閉め、エアコンの除湿や除湿機で水分そのものを減らします。あわせて押入れやクローゼットの扉を開け、室内の空気を回します。

冷房の効きそのものが気になる場合は沖縄でエアコンが効かない原因もあわせてご覧ください。

カビが生えると、掃除だけでは元に戻りにくくなります

カビは湿度が高いほど生えやすく、一般に相対湿度が60%を超えるあたりから活動が始まり、70〜80%の状態が続くと目に見える形で出てくるとされています。那覇の外気は3月から10月まで70%を超えていますから、室内で何もしなければ、その条件はそろってしまいます。

厚生労働科学研究のシックハウス症候群に関する相談マニュアルでも、室内環境の健康影響はホルムアルデヒドなどの化学物質だけでなく、ダニやカビといった生物的な要因、そして湿度が複雑に関わって起こるものとして整理されています。カビがアレルギー性の鼻炎や気管支喘息、過敏性肺炎の原因になりうることも知られています。

やっかいなのは、壁紙の表面を拭いても、下地のボードの内部まで菌糸が入り込んでいると、しばらくして同じ場所にまた出てくることです。表面のカビ取りは一時的な対処にはなりますが、湿気そのものが減っていなければ繰り返します。

そのうえで、再発させないために「そもそも水がつかないようにする」部分を、窓まわりからお手伝いできればと考えています。

沖縄の住宅の掃き出し窓に内窓を設置した施工例。既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付けている

窓まわりの結露に、内窓(二重窓)ができること

内窓(二重窓)は、いまある窓の内側にもう一枚窓を取り付けて、あいだに空気の層をつくるリフォームです。

この空気の層があると、外の暑さ寒さが室内側のガラスに伝わりにくくなります。結果として、室内側のガラスやサッシの表面温度が、外気や冷房の影響で極端になりにくくなります。表面が露点温度を下回りにくくなれば、そこにつく水も減ります。

  • サッシのレールに水がたまりにくくなります
  • ゴムパッキンやカーテンの裾が黒くなりにくくなります
  • 窓際の床や巾木が湿りにくくなります
  • 冷房が効きやすくなり、除湿の効率も上がります

どのくらい変わるかは、お住まいの構造、窓の向き、お部屋の使い方によって差が出ます。「何℃下がります」「結露がゼロになります」といった言い方を、私たちはしないようにしています。実際の窓を見せていただいたうえで、どこまで期待できそうかを正直にお伝えします。実際の施工写真は施工事例に掲載しています。

正直にお伝えします。内窓では解決できない結露もあります

内窓が効くのは、あくまで窓まわりの結露です。次のようなものは、内窓では解決できません。

  • 壁のなかや天井裏で起きている結露(内部結露):壁の断熱や防湿層の問題です。建物本体の工事が必要で、私たちの領分ではありません。
  • コンクリートの床や土間が濡れる現象:梅雨から夏にかけて、冷えたコンクリート面に湿った空気が触れて起こります。窓とは別の話です。
  • 配管まわりの結露や漏水:設備の問題ですので、水道設備の業者さんへご相談ください。
  • すでに広範囲に発生してしまったカビの除去:カビ取りの専門業者さんの領域です。
  • 建物全体の換気不足:24時間換気の不具合や、間取りによる空気のよどみが原因のことがあります。

現地を拝見して「これは内窓では変わりません」と判断した場合は、そのようにお伝えします。工事をお受けしないこともあります。効かないとわかっているものをお勧めして、あとでがっかりされるほうが、私たちにとっても損だと考えているからです。

内窓をつけるとき、沖縄で気をつけていること

まず、内窓をつけると窓と窓のあいだに空間ができます。ここを閉め切ったままにすると、まれにそのなかで湿気がこもることがあります。天気のよい日に外窓と内窓の両方を開けて、あいだの空気を入れ替えていただくようお願いしています。

次に、既存のサッシの状態です。沖縄は塩害でアルミサッシが傷んでいることが多く、レールの腐食やパッキンの劣化があると、そこから水や湿気が入ります。内窓をつける前に、外側のサッシを直したほうがよい場合もあります。玄関まわりの劣化については玄関ドアのリフォームで触れています。

そして、取り付けるお部屋の選び方です。北側の部屋、寝室、押入れのあるお部屋から始める方が多いです。西向きのお部屋の暑さが気になる場合は沖縄の西日対策、冷房費が気になる場合は沖縄の電気代と窓もあわせてご覧ください。

賃貸・マンションにお住まいの方へ

沖縄は借家にお住まいの方が50.7%、持ち家率は42.6%で全国でもっとも低い県です(令和5年住宅・土地統計調査)。ですので「結露で困っているけれど賃貸だから何もできない」というご相談を、本当に多くいただきます。

賃貸の場合、内窓の取り付けには貸主(オーナー)さんの承諾が必要です。窓は共用部分の扱いになることが多く、勝手に工事はできません。ただ、内窓は建物を傷める工事ではなく、断熱性能が上がることで物件の価値が上がる面もありますので、ご相談いただくと許可が出ることもあります。原状回復についても、取り外して元に戻せる形にできる場合があります。

分譲マンションの場合は、管理組合への申請が必要です。専有部分の修繕等工事申請書などの書類が要りますが、この作成は私たちがお手伝いできます。マンションの玄関ドアについてはマンションの玄関ドアリフォームをご覧ください。

沖縄の住宅の腰窓に内窓を設置した施工例。窓と窓のあいだに空気の層ができる

費用と補助金について

内窓の費用は、窓の大きさ、枚数、ガラスの種類によって変わります。目安は料金のご案内にまとめていますので、ご覧ください。

国の補助金の対象になることもあります。2026年度の内容は先進的窓リノベ2026事業補助金についてで詳しくご説明しています。条件は年度ごとに変わりますので、お考えの方はお早めにご相談ください。申請手続きは私たちが代行いたします。

現地を見せていただいてから、正直にお伝えします

結露とカビの原因は、お住まいごとに違います。同じ「北側の部屋がカビる」でも、窓が原因のこともあれば、換気の問題のことも、壁の断熱の問題のこともあります。

現地調査とお見積りは無料です。その結果「窓ではありません」となれば、そう申し上げます。ご相談はお問い合わせから、お気軽にどうぞ。工事の進め方は施工の流れをご確認ください。

那覇市をはじめ沖縄本島全域へ伺っています。那覇市の内窓・玄関ドアリフォームなど、地域ごとのご案内もございます。基地や航空機の騒音でお困りの場合は基地・航空機騒音の防音対策もご覧ください。

沖縄の結露とカビについて、よくあるご質問

除湿機を買えば解決しますか

湿度を下げる効果はありますので、有効な手段のひとつです。ただ、冷えた面がある限り、その面には水がつきます。除湿と、面を冷やしすぎないことの両方が必要です。

内窓をつけたら結露はゼロになりますか

ゼロになるとはお約束できません。窓まわりの結露は減りますが、お住まいの条件によって差があります。現地を拝見したうえで、どこまで期待できそうかを正直にお伝えします。

カビ取りもお願いできますか

カビの除去は専門の業者さんの領域ですので、私たちはお受けしていません。窓まわりの結露を減らして、再発しにくい状態にする部分でお手伝いします。そのほかのご質問はよくあるご質問にもまとめています。

このページで参照した資料

  • 気象庁「那覇(沖縄県)平年値(年・月ごとの値)」統計期間1991〜2020年
  • 沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」令和7年3月31日
  • 厚生労働省「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」建築物環境衛生管理基準
  • 厚生労働科学研究「科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)」