間取りも、キッチンも、外壁の色も決まってきた。そこで「窓は標準仕様のままで大丈夫かな」と、ふと手が止まる。新築や建て替えの打ち合わせでは、窓はあとまわしになりやすい部分です。

窓は、あとから「こうしておけばよかった」と思いやすい場所でもあります。壁と違って、光も風も熱も視線も、窓を通って出入りするからです。この記事では、沖縄で家を建てるときに窓で迷いやすい点を、公的な資料で確認できる範囲で整理します。建てたあとに窓を変える方法にも、公平にふれます。

窓選びで「後悔しやすい」のは、どんな点?

新築後の相談で話題になりやすいのは、次のような点です。これは当社に寄せられるご相談の傾向であり、統計ではありません。

  • 夏の日ざしで室内が暑くなる(窓の向き・大きさ・ガラス)
  • 台風のときの窓まわりの備え(雨戸・シャッターの有無)
  • 外からの視線が気になる、カーテンが開けられない
  • 窓の数や位置が防犯上心配になる
  • 掃除や手入れのしやすさ、建具の動きの重さ

一つずつ、「なぜそうなるか」から見ていきます。

窓の性能は「サッシ」と「ガラス」の組み合わせで決まる

国は「窓の性能表示制度」で、窓の性能を分かりやすく示す仕組みを設けています。表示するのは、次の2つです(国土交通省・経済産業省資源エネルギー庁のリーフレット、2023年4月発行)。

  • 断熱性能:熱の伝わりにくさ。「熱貫流率」という数字で表し、数字が小さいほど熱が伝わりにくくなります。星(★)の数で示します。
  • 日射熱取得率:日ざしの熱が室内に入る割合。小さいほど日射を遮ります。

リーフレットには、断熱性能は「サッシとガラスの組合せで決まる」と書かれています。サッシの材質は、樹脂製、アルミ樹脂複合製、アルミ製の3種類で示されています。ガラスは、複層ガラスと、Low-E複層ガラス(特殊な金属膜をコーティングしたガラスを使った複層ガラス)などが示されています。

つまり、ガラスだけ、サッシだけで性能が決まるわけではありません。見積書や仕様書で「サッシは何製か」「ガラスは何か」の両方を確認することが、後悔を減らす第一歩です。

日射熱取得率は「日射取得型」と「日射遮蔽型」

同じリーフレットでは、日射熱取得率の高い窓を「日射取得型」、低い窓を「日射遮蔽型」と呼んでいます。取得型は冬に日ざしの熱を取り入れるのに向き、遮蔽型は夏の日ざしを遮るのに向く、という整理です。

そして、地域の区分では、全国を気候条件で8つの地域に分けています。リーフレットの図では、沖縄は「8地域」とされています。選択フローでは、8地域は窓の方位にかかわらず「日射遮蔽型」が例示されています。

ただし、リーフレットは「商品バリエーションに応じて窓の断熱性能を優先した選択をお願いします」とも書いています。日射遮蔽型を探しても、希望のサッシで選べる商品が限られる場合があります。

沖縄で暑さ・日ざしの面から考えたいこと

沖縄は、那覇で年平均気温が23.3℃、年平均の湿度が73%です(気象庁 平年値 1991〜2020年)。7月の月平均気温は29.1℃、6月の湿度は83%です。1月でも月平均気温は17.3℃で、冬の寒さより、長い夏の暑さと日ざしが課題になりやすい土地です。

ここでの注意点があります。リーフレットは全国向けで、「住宅では、通常、暖房エネルギー消費量が冷房エネルギー消費量より多い」と書いています。しかし、これは全国的な傾向の説明です。沖縄にそのまま当てはまると言えるかは、この資料だけでは分かりません。沖縄で窓を選ぶときは、「冬の寒さ対策」より「夏の日ざし」を主に考える、というのが一般的な考え方です。

窓の大きさ・向き・数については、一般的には次のように言われます。

  • 西日の入る面に大きな窓を置くと、夕方に室内が暑くなりやすい
  • 窓を大きくするほど、日ざしの熱も入りやすくなる
  • 軒や庇、外付けのブラインド、植栽で、窓に当たる日ざしをやわらげられる場合がある

リーフレットにも、庇やすだれ、外付けブラインドを設ける工夫が示されています。窓の性能を上げるだけでなく、「窓に日ざしを当てない」設計の工夫も、あわせて検討する価値があります。

台風への備えは「窓の仕様」と「雨戸・シャッター」で変わる

台風への備えとして、気象庁(福岡管区気象台)は、窓や雨戸を閉めてしっかりと鍵をかけること、必要に応じて窓ガラスに飛散防止フィルムやテープを貼ったり、カーテンやブラインドを下ろしたりすることを挙げています。

新築の段階で考えておきたいのは、次の点です。

  • 雨戸やシャッターを付けるか、付けないか
  • 付けない場合、台風のときは窓ガラスそのものの対策(フィルム、飛散防止仕様のガラスなど)をどうするか
  • 開閉の手間(高い位置の窓、小窓の数が多い場合など)

日本サッシ協会のパンフレットでは、ガラスの種類を目的別に整理しています。強化ガラスは安全対策、網入り板ガラスは防火対策、複層ガラスは断熱・結露防止対策、防犯合わせガラスは防犯対策です。「網入りガラスなら割れても安心」といった誤解をしないよう、目的を確認しておくと安心です。

なお、塩害(潮風による金属部分の傷み)への強さや、台風時の耐風圧の具体的な数字は、本稿では公的資料で確認できなかったため、記載していません。製品ごとの性能表示やメーカーの資料を、直接ご確認ください。

視線・防犯の面で後悔しないために

外からの視線

道路や隣家に面した窓は、「カーテンを閉めっぱなし」になりやすい場所です。窓の高さを上げる、すべり出し窓や縦すべり出し窓にして開口を絞る、型ガラス(模様の入ったガラス)にする、といった工夫が、設計段階では取り入れやすい方法です。ただし、光や風の入り方が変わるため、設計者と相談して決めるのが現実的です。

防犯

日本サッシ協会のパンフレット(2023年4月)は、「防犯性能の高い建物部品」(CP部品)を紹介しています。警察庁、国土交通省、経済産業省と関連団体による官民合同会議が定めた共通の標章(CPマーク)が付いており、侵入者が行為を始めてから侵入できるまでの「抵抗時間」が5分以上であることを試験で確認したものとされています。

同じパンフレットは、CP製品について、侵入を防ぎきるものではない旨の注意書きも載せています。

また、同パンフレットには、(財)都市防犯研究センター資料として、戸建住宅では窓からの侵入が72%、集合住宅の1階では玄関52%・窓48%、という数字が載っています。調査年はパンフレット上で確認できませんでしたので、あくまで参考値としてご覧ください。

一般的には、1階の窓、人目につきにくい窓、足場になるものが近くにある窓は、防犯面で注意したい場所です。窓の数や位置を決めるときに、「人の目」「音・光」「侵入に時間がかかる工夫」の3つの視点で見直すと、整理しやすくなります(同パンフレットの防犯対策の原則)。

建てたあとに窓を変えるとしたら、どうなる?

「あとから変えられるなら、新築では標準仕様でもいいのでは」という考え方もあります。実際に、窓は建てたあとでも変えられます。ただし、方法ごとに、できることと、できないことがあります。

環境省の資料(令和6年度補正予算の事業概要)では、窓の断熱改修の方法として、「内窓設置」「外窓交換」「ガラス交換」の3つが示されています。YKK APのサイトでは、外窓交換の一つとして、既存の窓枠の上に新しい枠をかぶせる「カバー工法」が紹介されています。

方法内容向いている場合注意点
内窓既存の窓の内側に、もう1つ窓を足す今の窓を残したまま、暑さ・音・結露を見直したい窓が二重になるため、開け閉めの手間が増える。取り付け可否は窓まわりの形状で変わる
カバー工法既存の枠を残し、その上に新しい枠と窓をかぶせる窓そのものを新しくしたい。壁を壊したくない既存の窓枠の状態・形状によって、取り付けられるかが変わる(現地で確認)
ガラス交換サッシはそのまま、ガラスだけ取り替えるサッシの状態がよく、ガラスの種類だけ変えたいサッシ自体の断熱性・気密性は変わらない

出典:YKK AP「窓ガラスの交換方法は?」、環境省 事業概要資料(令和6年度補正予算)

内窓は新築時にも、「あとから足せる」前提で設計しておくと、選択肢が広がります。カバー工法やガラス交換で何ができるかは、既存のサッシの種類や状態で変わります。

どの方法が合うかは、窓の向き・大きさ・サッシの種類・目的(暑さ、音、防犯など)で変わります。金額や補助金は、料金のページと補助金のページでご案内しています。方法の違いは、内窓とカバー工法の比較や、内窓とはでも説明しています。

窓では解決しない・向かないケース

正直にお伝えします。窓だけで解決できないことも、あります。

  • 建物の屋根・壁・断熱の影響が大きい場合:日ざしで温まった屋根や壁からの熱は、窓を変えても残ります。鉄筋コンクリート造の暑さは、RC住宅の暑さをご覧ください。
  • 窓の外の対策が先の場合:庇、外付けブラインド、植栽など、窓に日ざしを当てない工夫のほうが合う場面があります。
  • 視線・防犯の悩み:窓の位置や数、外構、照明の工夫が中心です。ガラスの種類で変えられる範囲には限りがあります。
  • 台風の飛来物:雨戸やシャッターが想定できる場合は、それを閉めることが基本です。窓を変えることとは別の話です。
  • 取り付けられない窓がある場合:窓まわりの形状によっては、内窓などが付けられないことがあります。現地で確認が必要です。

賃貸・マンションの場合

新築・建て替えの話から少し離れますが、賃貸や集合住宅では、窓やサッシが共用部分として扱われることがあります。工事の前に、管理会社や管理組合の承諾が必要になる場合があります。退去時の原状回復も、事前に確認しておくと安心です。詳しくは、賃貸の窓とマンションの内窓をご覧ください。

沖縄では、共同住宅が60.9%、借家が50.7%、持ち家率は42.6%です(令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点、令和7年3月31日)。

打ち合わせ前に確認したいチェックリスト

  • サッシの材質(樹脂製・アルミ樹脂複合製・アルミ製)は何か
  • ガラスの種類(複層ガラス、Low-E複層ガラスなど)は何か
  • 窓の性能表示(断熱性能の星の数、日射熱取得率)を見せてもらえるか
  • 西日・南面の大きな窓に、庇や外付けの日よけを考えているか
  • 台風のとき、雨戸・シャッターの有無と、窓ごとの対策は決まっているか
  • 道路・隣家から見える窓の高さ、ガラスの種類は決まっているか
  • 1階の窓、人目につかない窓の防犯対策(防犯合わせガラス、CP部品など)は検討したか
  • 将来、内窓を足せるだけの窓まわりのスペースはあるか

よくあるご質問

新築のときは、樹脂サッシにしたほうがいいですか?

国のリーフレットでは、断熱性能は「サッシとガラスの組合せで決まる」と示されています。樹脂製サッシが断熱性能の高い組み合わせとして多く並びますが、アルミ樹脂複合製サッシでも、同じ4つ星の例が示されています。沖縄では、断熱だけでなく日射熱取得率、台風への備え、予算、手入れのしやすさもあわせて考えるのが現実的です。

沖縄でも、窓の性能表示の「星の数」は重要ですか?

リーフレットの選択フローで、断熱性能の星の数の目安が示されているのは1〜7地域です。8地域(沖縄)では、日射熱取得率による選び方(日射遮蔽型)のみが示されています。星の数は一つの目安として確認しつつ、日射熱取得率も見るとよいでしょう。

窓は少なく・小さくしたほうが、後悔しませんか?

一般的には、窓が小さく少ないほど日ざしの熱は入りにくくなります。一方で、採光や通風、非常時の避難経路も関わります。暑さだけで決めずに、暮らし方と合わせて検討するのがおすすめです。

台風のとき、シャッターがない窓はどうすればいいですか?

気象庁(福岡管区気象台)は、窓や雨戸を閉めて鍵をかけること、必要に応じて窓ガラスに飛散防止フィルムやテープを貼ること、カーテンやブラインドを下ろすことを挙げています。新築時にシャッターを付けるかどうかは、設計者と相談してください。

このページで参照した資料

  • 国土交通省・経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能向上のための 窓の性能表示制度」リーフレット(2023年4月発行)
  • 一般社団法人 日本サッシ協会「CP製品のご紹介」(2023年4月)
  • 気象庁 福岡管区気象台「台風への備え」
  • 環境省「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」概要資料(令和6年度補正予算)
  • YKK AP「窓ガラスの交換方法は?」
  • 気象庁 平年値(1991〜2020年)
  • 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点(令和7年3月31日)

現地を見せていただいてから、正直にお伝えします

新築・建て替えの窓は、図面だけでは決めにくいものです。すでにお住まいの窓を見ていただくか、建築予定の計画を見せていただければ、窓で変えられる範囲と、窓では変えられない範囲を、分けてご説明します。現地調査と見積りは無料です。窓ではないと分かった場合は、そのように申し上げます。お気軽にお問い合わせください。