国道を走る車の音、大型車が通ったときの重い響き、モノレールが通るたびに聞こえる音。毎日のことだからこそ、慣れる人もいれば、眠りや会話の邪魔になって困る人もいます。「窓を替えれば静かになるのか」「そもそも、うちの音は我慢するしかないのか」と迷っている方も多いと思います。

このページでは、国が定めている騒音の基準をやさしく整理し、音の種類によって窓の効き方が変わる理由と、今日からできること、窓まわりの工事の考え方をお伝えします。窓では解決しにくいケースも、あらかじめ書いています。

内窓の工事は、音の悩みの一部にしか効かないことがあります。まず「どんな音が、どこから入っているのか」を知ることから始めましょう。

国道・モノレール沿いで、音の悩みが出るしくみ

道路の音と鉄道の音は、国の決まりの上で扱いが分かれています。ここでは、国の決まりを整理します。

道路の音には「環境基準」がある

「騒音に係る環境基準」は、生活環境を守り、人の健康を守るうえで、維持されることが望ましい基準です。目標として定められたものです。基準値は、地域の種類(類型)と時間帯ごとに決まっています。昼間は午前6時から午後10時まで、夜間は午後10時から翌日の午前6時までです。どの類型にあたるかは、都道府県知事(市の区域内は市長)が地域ごとに指定します。お住まいの場所がどの類型にあたるかは、市町村の環境担当窓口へ問い合わせてみてください。

道路に面する地域には、別の基準値があります。

地域の区分昼間夜間
A地域のうち、2車線以上の道路に面する地域60デシベル以下55デシベル以下
B地域のうち2車線以上の道路に面する地域、C地域のうち車線のある道路に面する地域65デシベル以下60デシベル以下
幹線交通を担う道路に近接する空間(特例)70デシベル以下65デシベル以下

出典:環境庁告示「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日、平成24年3月30日改正)

A地域は専ら住居のための地域、B地域は主として住居のための地域、C地域は住居と商業・工業などが混ざる地域とされています。評価に使うのは、一定時間の音を平均した「等価騒音レベル」です。

沖縄県(市の区域は各市)が、騒音規制法にもとづいて自動車騒音の状況を監視し、結果を公表しています。県の資料では、評価の対象になる「幹線交通を担う道路」を、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、4車線以上の市町村道としています。国道沿いは、こうした評価の対象になる道路にあたります。ただし、お住まいの家の音が基準より大きいか小さいかは、測ってみないと分かりません。

窓を閉めた暮らしを前提にした「屋内の基準」もある

環境基準には、個々の住居で、騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準によることができる、という備考があります。数値は昼間45デシベル以下、夜間40デシベル以下です。外の音そのものでなく、建物の防音性能を引いた室内の音で見る考え方です。

窓を閉めて過ごすか、開けて風を通すかは、家ごと・日ごとに違います。音の悩みを考えるときは、「窓を閉めたときに、どう聞こえるか」と「開けたときに、どう聞こえるか」を分けて見ておくと、原因が見つけやすくなります。

モノレールなど鉄道の音は、道路の環境基準の外にある

先ほどの環境基準の告示は、航空機騒音、鉄道騒音、建設作業騒音には適用しないと定めています。鉄道の音には、別の考え方があります。環境庁(現在の環境省)が平成7年に出した指針は、新しく線路をつくる区間や、複線化や高架化などの大きな改良をした区間について、列車の走行音の目標を示したものです。

指針の目標は、新線で、昼間(7時から22時)は等価騒音レベルで60デシベル以下、夜間(22時から翌朝7時)は55デシベル以下です。住居専用地域など、住環境を守るべき地域では、さらに低くするよう努めることとされています。

ただし、この指針が対象にするのは、普通鉄道(新幹線を除く)と、これと同様の線路構造の軌道です。モノレールがこれにあたるかどうかは、事業者や市町村への確認が必要です。指針には、測り方が違う場合は数値を単純に比べられないこと、ほかの騒音の評価指標としては使えないことも書かれています。道路の基準の数値と並べて「うちは基準より上か下か」と決めることは、できません。

沖縄の住まいの事情

沖縄県の「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)では、人が住んでいる住宅のうち、共同住宅が60.9%、借家が50.7%です。マンションやアパートなど、窓の工事を自分の判断だけで決めにくい住まいが多いことが分かります。このあと、賃貸・マンションの場合を別の節で書きます。

音の種類で、窓の効き方が違う

音は、高い音と低い音で、建物の中への入り方が違います。環境省の「よくわかる低周波音」では、最近は建物の遮音性能が上がったことで、室内では高い周波数の音が減り、低い周波数の音が際立ってしまうことがある、と説明されています。窓を閉めたほうが感じる場合は、低周波音による問題の可能性がある、とも書かれています。

ここでいう低周波音は、環境省では、通常聞こえる音のうち20ヘルツから100ヘルツの低い音と、20ヘルツ以下の通常は聞こえない空気の振動をまとめた呼び方です。次のような違いがあります。

  • 100ヘルツ以上の騒音:車のタイヤの音、風を切る音など、耳ではっきり聞こえる音
  • 低周波音:重く響く音、圧迫感、窓や戸のガタつきとして感じやすい音
  • 地面や建物の振動:窓や戸は、低周波音だけでなく、地盤や建物の振動でも同じように揺れます。環境省の資料には、家の近くを大型車が通ることで地盤が揺れ、建具を揺らすことがある、とあります。

また、同じ資料には、窓や戸が低い周波数で揺れやすい例として、5ヘルツで70デシベル、20ヘルツで80デシベル程度の低周波音でガタつく場合がある、と書かれています。

二重の窓の弱点と、窓のしくみ

空気層をもつ二重の窓(内窓や複層ガラスなど)には、共鳴透過という現象があります。日本建設業連合会の資料では、ガラスが空気層をはさんで二重になっていると、特定の周波数で共鳴が起き、その周辺では音が通りやすくなって遮音性能が大きく下がることがある、と説明されています。同じ資料の例では、空気層6ミリの複層ガラスが280ヘルツ、空気層50ミリの二重ガラスが96ヘルツ、空気層200ミリの場合が48ヘルツで共鳴が起きています。空気層が厚いほど、共鳴の起きる周波数は低くなります。また、共鳴する周波数よりずっと高い音では、単板ガラスと同じか、それより遮音性能が高くなる例が示されています。

日本サッシ協会の資料(JIS A 4706にもとづく解説)では、サッシの遮音等級(T-1からT-4)は、125ヘルツから4,000ヘルツの範囲の測定値で判定すると書かれています。つまり、等級の数字だけでは、それより低い音への効き方は読み取れません。

窓の種類やガラスの組み合わせ、空気層の厚さで、効く音の高さは変わります。「この窓にすれば静かになる」と決めつけず、気になる音の種類から考えるのが近道です。

今日からできること

工事の前に、自分でできる確認があります。

  • 音の記録をつける:いつ(時間帯)、どんな音(ゴー、ゴトゴト、キーンなど)、どの部屋で聞こえるかを、数日分メモします。
  • 窓を閉めたときと開けたときで、聞こえ方がどう変わるかを比べます。窓を閉めたほうが感じる音なら、低周波音の可能性があります。
  • 窓に手や耳をそっと当てて、揺れているかを確かめます。風もないのに窓に映る景色が揺れていれば、窓に細かな振動が起きている可能性があります。
  • 家族や知人にも同じように聞こえるかを聞きます。ご自身以外も同様に感じれば、低周波音や騒音の可能性が高くなる、とされています。
  • 窓のすき間を点検します。日本サッシ協会の資料には、サッシの気密性がよいと、内外の騒音への遮音性が良くなる、とあります。窓がしっかり閉まるか、ゴムパッキンが傷んでいないかを見てみましょう。
  • 寝室を道路やモノレールから遠い部屋に移せるなら、試してみます。

窓まわりで変えられること

音の悩みに対して、窓まわりでできる工事には次のものがあります。それぞれ、向く場合と向かない場合があります。

方法内容向く場合注意したい点
内窓今の窓の内側にもう1つ窓をつけ、窓を二重にする窓から入る音が気になる場合空気層をもつ二重の窓は、共鳴する周波数の近くで効きが下がることがある
カバー工法今の窓枠の上から新しい枠をかぶせて、窓ごと交換する窓の開け閉めが重い、すき間が気になるなど、窓の傷みも一緒に直したい場合窓の大きさが少し小さくなることがある。音への効き方は、選ぶ窓の仕様で変わる
内窓・新しい窓のガラスを選ぶ内窓やカバー工法の窓に、厚さや構成の違うガラスを選ぶガラスの仕様を選べるときガラスだけの交換・修理は、当社では扱っていません

内窓は、窓の内側に空気層ができるぶん、すき間風やほこりが入りにくくなることもあります。ただし、音への効果は、窓の種類・向き・空気層の厚さ・ガラスの組み合わせで変わります。効果を言い切ることはできません。

どの方法でも、窓の大きさ、サッシの種類、お部屋の使い方によって向き不向きがあります。気になる音が、窓から入っているものかどうかを、現地で見てから決めるのが確実です。工事の内容によって費用が変わりますので、金額の目安は料金のページをご覧ください。補助金の対象や条件は、年度ごとに案内が変わるため、補助金のページでお伝えしています。

暮らしの音を種類別に整理したページは音の種類別のページに、防音全般の考え方は防音のページにまとめています。内窓そのものの特徴を知りたい方は、内窓のページをご覧ください。

窓では解決しにくいケース

窓の工事をしても、悩みが残ることがあります。先にお伝えしておきます。

  • 低い音や、地面・建物の振動が主な原因の場合:窓や戸は、低周波音だけでなく、地盤や建物の振動でも揺れます。原因が地面からの振動なら、窓の工事ではガタつきの原因は変わりません。環境省の資料では、低周波音への対策は発生源側の対策が効果的、とされています。
  • 窓以外から音が入っている場合:壁、換気口、天井、床など、窓以外の経路から音が入っていることがあります。窓だけを替えても、聞こえ方がほとんど変わらないことがあります。
  • 音の発生源が、自分の家の外ではない場合:集合住宅では、上下階や隣の部屋の音が気になる場合もあります。外の窓では解決しません。

騒音や低周波音の苦情は、地方公共団体が窓口になって対応しています。原因が窓の外にありそうなときは、市町村の環境担当窓口への相談も選べます。

賃貸・マンションの場合

賃貸住宅では、窓の工事に大家さんや管理会社の承諾が必要になります。退去時に元の状態に戻す必要があるかどうかも、契約によって違います。マンションでは、窓まわりが共用部分として扱われることがあり、管理規約や管理組合のルールを先に調べる必要があります。まずは承諾の有無と、元に戻す条件を確認してから、工事の内容を決めましょう。

賃貸の場合は賃貸のページ、分譲マンションの場合はマンションの内窓のページに、承諾や手続きの流れをまとめています。

迷ったときの見分け方

気になる音が、どのタイプに近いかで、次のように整理できます。

気になる音・症状考えられる方向まずやること
話し声・車の走行音・タイヤの音がはっきり聞こえる窓のすき間や、窓そのものの遮音が関わっている場合がある窓を閉めた状態の聞こえ方を確認し、窓まわりの工事を相談する
窓を閉めたほうが、重い響きや圧迫感を感じる低周波音が関わっている場合がある音の記録をつけ、市町村の環境担当窓口にも相談する
大型車やモノレールが通るたび、窓や戸がガタガタ揺れる地盤や建物の振動が関わっている場合がある窓に手を当てて揺れを確認する。窓の工事で変わるかは、現地で見てから判断する
夜だけ気になる夜は昼より環境基準の値が低く設定されている(本文の表のとおり)時間帯ごとの記録をつける
窓を閉めても、どこから聞こえるか分からない壁・換気口など、窓以外の経路が関わっている場合がある現地で、音の入り口を一緒に探す

自分で判断がつかないときは、現地を見てもらうのが近道です。音の悩みは、同じ道路沿いでも、階数や部屋の向きで聞こえ方が違います。

室内の音が外へ漏れないか心配な方は、音漏れ・ご近所が心配なときのページもご覧ください。

よくあるご質問

国道沿いに住んでいます。うちの音は、環境基準を超えていますか。

測ってみないと分かりません。環境基準は、地域の種類(類型)と、道路に面しているかどうかで値が決まり、評価も個々の住居が受ける音のレベルで行います。沖縄県(市の区域は各市)は自動車騒音の常時監視の結果を公表していますが、すべての家を測っているわけではありません。気になる場合は、市町村の環境担当窓口に、お住まいの地域の類型と、測定の有無を聞いてみてください。

モノレールの音に、環境基準はありますか。

道路の環境基準を定めた告示は、鉄道騒音には適用しないとしています。鉄道には、新しく線路をつくる区間などを対象にした、別の指針があります。モノレールがその対象にあたるかは、事業者や市町村への確認が必要です。

内窓をつければ、低い音も小さくなりますか。

低い音に対しては、窓だけでは変えにくいことがあります。空気層をもつ二重の窓には、特定の周波数で遮音性能が下がる共鳴透過があり、空気層の厚さによって、その周波数が変わります。また、窓や戸の揺れが、地盤や建物の振動によることもあります。どの音が気になっているかを、先に確かめましょう。

このページで参照した資料

  • 環境庁告示「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日、平成24年3月30日改正)
  • 環境庁大気保全局長通知「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」(平成7年12月20日)
  • 環境省 水・大気環境局環境汚染対策室「よくわかる低周波音」(平成19年2月、平成31年3月改訂)
  • 環境省「低周波音問題に関するQ&A」(環境省ウェブサイト)
  • 日本建設業連合会 技術研究部会音環境専門部会「用語 共鳴透過、共鳴透過現象」(2019年11月)
  • 日本サッシ協会「窓の性能とJIS基準について」(JIS A 4706にもとづく解説)
  • 沖縄県「令和6年度自動車騒音の常時監視結果について」
  • 沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)

音の悩みは、窓を替えれば解決するものと、そうでないものがあります。現地を見せていただいてから、正直にお伝えします。現地調査とお見積りは無料です。窓の工事ではなく、原因はほかにあると分かった場合は、そう申し上げます。