「夜中、道路を走る車の音で目が覚めてしまう」

「テレビの音量を上げないと聞こえない」

「うちの子どもの声が、ご近所に迷惑をかけていないか気になる」

沖縄で窓のご相談をいただくなかで、音のお悩みは暑さの次に多くいただきます。

音の悩みは、暑さや結露とちがって目に見えないぶん、ご自分では原因を特定しにくいのが厄介なところです。このページでは、環境省が定めている騒音の基準と、沖縄県が実際に測った道路騒音のデータをもとに、まずご自宅の音がどういう性質のものかを整理します。そのうえで、窓でできること・できないことを正直にお伝えします。

沖縄の住まいで気になる騒音のイメージ

その音は「どこから」「いつ」聞こえていますか

ご相談をいただく前に、次の3つを思い出してみてください。

  1. 音が気になるのは、どの部屋か
  2. 気になるのは何時ごろか(昼か、夜か)
  3. 窓を閉めると、音は小さくなるか

とくに3つ目が大事です。窓を閉めて音が明らかに小さくなるなら、その音は窓から入っています。逆に、窓を閉めてもほとんど変わらないのであれば、壁・天井・床・換気口など、窓以外の経路を疑う必要があります。この場合は内窓を付けてもご期待に沿えない可能性が高く、正直にそうお伝えしています。

沖縄の騒音は、大きく3つに分かれます

  • 航空機・基地の音(嘉手納飛行場、普天間飛行場、那覇空港の周辺)
  • 道路の音(国道58号、国道329号などの幹線道路沿い)
  • 暮らしの音(隣家の話し声、子どもの声、ペット、楽器、エアコンの室外機、駐車場の出入り)

この3つは、音の大きさも、気になる時間帯も、使える制度も、対策の考え方もまったく違います。ひとまとめに「防音」として考えると、たいてい遠回りになります。

はじめに:基地や航空機の音は、このページとは制度が別です

航空機の音でお困りの場合、国の助成制度(沖縄防衛局の住宅防音工事)の対象になることがあります。制度の条件や、対象外だった場合の考え方は沖縄の基地騒音対策のページに詳しくまとめました。先にそちらをご覧ください。

制度が別なのは、感覚の話ではありません。環境省の「騒音に係る環境基準」は、第3で「この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しない」と明記しています。基地の音は、最初から別の物差しで測られているということです。

なお、防衛局の防音工事をすでに受けた居室に手を加えると、後の工事の対象外になる場合があります。自費で内窓を付ける前に、必ず沖縄防衛局へご確認ください。

国が決めている「静かさ」の目安を知っておくと判断しやすくなります

環境省は、地域の種類ごとに騒音の環境基準を定めています。まずは一般の地域の基準です。

地域の類型昼間夜間
AA(療養施設などが集まる、特に静穏を要する地域)50デシベル以下40デシベル以下
A・B(住居中心の地域)55デシベル以下45デシベル以下
C(住居と商業・工業が混在する地域)60デシベル以下50デシベル以下
昼間は午前6時〜午後10時、夜間は午後10時〜翌午前6時(環境省の告示による区分)

道路に面している場合は、別の基準が当てはまります。

地域の区分昼間夜間
A地域のうち2車線以上の道路に面する地域60デシベル以下55デシベル以下
B地域のうち2車線以上の道路に面する地域、C地域のうち車線を有する道路に面する地域65デシベル以下60デシベル以下
幹線交通を担う道路に近接する空間70デシベル以下65デシベル以下
出典:環境省「騒音に係る環境基準について」(平成10年環境庁告示第64号)

同じ「うるさい」でも、静かな住宅街と幹線道路沿いでは、国が想定している水準そのものが15デシベルも違います。ご自宅がどの区分に当たるかで、対策の考え方も変わってきます。

国の基準そのものが「窓を閉めた暮らし」を想定しています

あまり知られていませんが、ここが大事なところです。上の表のいちばん下、「幹線交通を担う道路に近接する空間」には、次の但し書きが付いています。

個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

環境省「騒音に係る環境基準について」

読み解くと、こういうことです。国は、交通量の多い幹線道路のそばについては、屋外の音を下げきることを現実的でないと考えています。そのかわりに、「窓を閉めた状態の室内がどうなっているか」で評価してよいという道を用意しているのです。

道路沿いにお住まいの方にとって、現実的な対策の主戦場は窓である。国の告示そのものが、そう読める書き方をしています。私たちが窓から音のご相談をお受けしているのも、ここが出発点です。

沖縄の道路騒音は「国道沿いかどうか」で景色がまるで変わります

沖縄県は騒音規制法にもとづき、毎年、道路沿いの住宅がどれくらいの騒音を受けているかを調べて公表しています。令和6年度は、嘉手納町と西原町の幹線道路13区間(延長20.2km)に面する3,416戸が対象でした。

その結果が、かなり極端です。

道路の種類対象戸数昼間のみ基準超過昼夜とも基準超過
一般国道沿い1,169戸84戸(7.2%)91戸(7.8%)
都道府県道沿い2,247戸5戸(0.2%)8戸(0.4%)
出典:沖縄県「令和6年度自動車騒音の常時監視結果について」

一般国道沿いでは、およそ15%の住宅が環境基準を超えていました。いっぽう県道沿いは0.6%です。同じ「道路沿い」でも、国道58号や国道329号のような幹線に面しているかどうかで、置かれている状況がまったく違うということになります。

もうひとつ、距離の話があります。令和2年度からの累計では、道路端に近い「近接空間」の達成率が93.7%、その背後にある「非近接空間」が99.1%でした。近接空間とは、2車線以下の道路なら道路端から15メートル、2車線を超える道路なら20メートルまでの範囲を指します。

ご自宅が幹線道路から20メートル以内かどうか。地図アプリの計測機能で一度測っておくと、ご自身の状況を把握する助けになります。

音は、窓のどこから入ってくるのか

「厚いガラスに替えれば静かになる」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。

音は空気の振動なので、わずかなすき間があれば、そこから回り込んで入ってきます。日本サッシ協会の資料でも、サッシの気密性が良くなると「内・外部騒音における遮音性が良くなる」と説明されています。気密と遮音は、セットの話なのです。

古いアルミサッシは、レール部分や引き違いの召し合わせ(左右の窓が重なるところ)にすき間ができやすく、ここが音の通り道になっていることがよくあります。年数が経つほど、パッキンが痩せてすき間が広がります。

内窓は、既存の窓の内側にもう1枚、気密性の高い樹脂の窓を足す工事です。ガラスを厚くするのではなく、すき間のある古い窓と室内のあいだに、もう一段の仕切りと空気の層をつくる。これが、内窓が音に効く仕組みです。窓そのものの仕組みは内窓(二重窓)のページにまとめています。

内窓を取り付ける既存の窓枠(木枠)の様子
内窓は既存の窓枠の内側に取り付けます

やわらぎやすい音と、やわらぎにくい音があります

これまでの施工の経験上、内窓で変化を感じていただきやすいのは、次のような音です。

  • 走行音やタイヤの音
  • 人の話し声、テレビの音
  • 犬の鳴き声、子どもの声

いっぽう、次のような音は変化を感じにくい傾向があります。

  • 大型車が通るときの、地面から伝わってくる低い「ドンッ」という音
  • 上下階の足音など、建物の構造を伝わってくる音
  • 換気口や給気口から入ってくる音

一般に、低い音ほど遮りにくいとされています。また、建物そのものを伝わってくる音は、窓では止められません。この見極めは、実際に現地でその音を聞かせていただかないと判断がつきません。だからこそ、必ず一度うかがうようにしています。

カタログの「T等級」は、実験室で測った数字です

サッシの遮音性能には、JIS A 4706 で定められた T-1 から T-4 という等級があります。日本サッシ協会の資料によれば、この等級は JIS A 1416「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に従い、音源室と受音室のあいだの壁に試験体を取り付けて測定したものです。

つまりあの数字は、実験室の壁に窓だけをはめ込んで測った値です。実際のお住まいには、壁も、天井も、換気口も、玄関ドアもあります。カタログの等級がそのままご自宅で再現されることは、まずありません。

ですので当店では、「何デシベル下がります」「何割静かになります」といった数字はお約束していません。現地を見せていただいたうえで、この窓ならこのくらい変わりそうです、ここは正直あまり変わらないと思います、と言葉でお伝えするようにしています。数字でごまかすより、そのほうが誠実だと考えています。

なお、住宅性能表示制度の「音環境(外壁開口部)」では、等級3が T-2 等級以上、等級2が T-1 等級とされています。(出典:一般社団法人 日本サッシ協会「窓の性能とJIS基準について」)

私たちにできないこと

先にお伝えしておきます。次のことは、当店ではお請けできません。

  • 壁・天井・床の防音工事(当店は窓とドアの専門店です)
  • 音楽室やスタジオのような防音室をつくること
  • 換気口・給気口から入る音を止めること
  • 上下階の足音など、建物を伝わる音への対応
  • 「無音になる」ようにすること

内窓は音を消す工事ではなく、やわらげる工事です。これらが必要な場合は、防音工事の専門業者さんにご相談いただくのが確実です。無理にお請けして期待に届かない結果になるほうが、お互いにとって残念だと考えています。

防音を目的に内窓を選ぶときの5つのポイント

1. 部屋単位で、窓をすべて塞ぐ

1つの部屋に窓が2つあるのに片方だけ内窓にしても、もう一方から音が入ってきます。窓単位ではなく部屋単位で考えるのがコツです。

2. 既存の窓と内窓のあいだの距離をとる

あいだの空気層は、厚いほど音には有利に働きます。ただし取り付けられる奥行きは窓枠の形状によって変わりますので、現地で確認させていただきます。

3. 外側と内側でガラスの厚みを変える

同じ厚さのガラスを2枚重ねるより、厚みを変えたほうが、特定の高さの音が抜けにくくなるとされています。ご予算とのバランスでご提案します。

4. 防音が主目的なら、専用の内窓という選択肢もあります

当店は防音に配慮した内窓「PLAST(プラスト)」の取扱店です。一般的な内窓とは枠の構造が異なります。ご予算と目的をうかがったうえで、必要な方にだけご提案しています。

5. 開け閉めの頻度も、あわせて教えてください

すき間が少ない窓ほど音には有利ですが、使い勝手とのバランスがあります。その窓をどれくらいの頻度で開けたいかによって、おすすめするタイプが変わります。

音のためにつけた内窓が、暑さと電気代も変えます

内窓は、音のためだけの工事ではありません。窓が二重になれば、外の熱も入りにくくなります。沖縄はエアコンを使う期間が長いので、この副次的な効果が思いのほか大きく効いてきます。

エアコンの効きについてはエアコンが効かないときのページ、電気代については沖縄の電気代を窓から下げるページ、西向きのお部屋については西日対策のページにそれぞれまとめています。

「夜、音が気になって眠れない」というお悩みは、「暑くて眠れない」と重なっていることも少なくありません。寝室のご相談をいただくときは、両方まとめてうかがうようにしています。

沖縄の戸建て寝室の掃き出し窓に内窓(二重窓)を取り付けた施工例
寝室の掃き出し窓に内窓を取り付けた例です

費用と工事のこと

防音が目的でも、国の補助金は使えます

国の先進的窓リノベ2026事業が使えます。制度上の要件は断熱性能ですので、目的が防音であっても、条件を満たす内窓であれば対象になります。1住戸あたり最大100万円で、当店は登録事業者ですから、申請はすべて当店が代行します。

締め切りは「2026年12月31日」ではなく、予算がなくなった日です。沖縄で使える補助金の全体像は補助金のページを、費用の目安は料金のページをご覧ください。

工事は1日で終わることがほとんどです

内窓は既存の窓枠の内側に取り付けるため、壁を壊す必要がありません。1か所あたりの取り付けは1時間前後、一般的なお住まいであれば1日で終わることがほとんどです。家具の移動も窓まわりだけで済み、お住まいになったまま工事できます。

ご相談から工事完了までの流れはご依頼の流れのページに、実際の工事の様子は施工事例のページにまとめています。

沖縄の住宅の和室の掃き出し窓に内窓(二重窓)を設置した施工例
和室の掃き出し窓に内窓を取り付けた例です

よくあるご質問

内窓を付ければ、外の音は聞こえなくなりますか

いいえ。音がやわらぐ工事であって、音を消す工事ではありません。無音にはなりません。どのくらい変わるかは、いまの窓の状態と音の種類によって差が大きいため、現地を見せていただいたうえで正直にお伝えします。

マンションや賃貸でも取り付けられますか

分譲マンションの場合、窓は共用部分の扱いになることが多く、管理組合への申請が必要になります。申請書類の作成は当店でお手伝いしています。賃貸の場合はオーナー様の承諾が必要です。どちらもまずはご相談ください。

自分の家から外に漏れる音にも効きますか

考え方は同じです。窓が二重になれば、内から外への音も通りにくくなります。ただしピアノや楽器のように大きな音を扱う場合、窓だけでは足りないことが多いので、その点も含めてご相談時に正直にお話しします。

気になるのは1部屋だけなのですが、1か所からでも頼めますか

はい。寝室だけ、リビングだけ、というご依頼も多くいただいています。1か所からご相談いただけます。

窓のほかに、玄関ドアから音が入ることはありますか

あります。とくに古い玄関ドアは、下部やまわりにすき間ができていることがあります。玄関ドアのリフォームのページもあわせてご覧ください。窓全般については窓リフォームのページにまとめています。

沖縄県全域にお伺いします

那覇市宜野湾市、浦添市、沖縄市、うるま市、豊見城市、糸満市、名護市をはじめ、沖縄県全域が対応エリアです。国道58号沿い、国道329号沿いにお住まいの方からのご相談も多くいただいています。

音のお悩みは、写真だけでは判断できません。実際にうかがって、その場で一緒に音を聞かせていただくのがいちばん確かです。まずはお問い合わせページからお気軽にご相談ください。ご相談とお見積りは無料です。