夜中に車の音で目が覚める。隣の部屋の物音が気になって寝つけない。そんな悩みは、音の種類によって、効きやすい手立てが違います。
窓を替えれば静かになる音もあれば、窓ではどうにもならない音もあります。このページでは、まず音の正体を切り分け、今日からできること、窓まわりで変えられること、窓では解決しない場合まで順に説明します。
寝室に音が入ってくるしくみと、沖縄ならではの事情
音は、空気の振動です。寝室に届く道すじは、大きく2つに分けられます。
- 空気を伝わって入る音:車、バイク、飛行機、人の話し声、近所の生活音など。窓やドアのすき間、ガラスを通って届きます。
- 建物を伝わって響く音:上の階の足音、設備の振動、壁や床を通る低い音など。窓を通らずに届きます。
沖縄では、人が住んでいる住宅のうち、鉄骨・鉄筋コンクリート造が93.8%、共同住宅が60.9%、借家が50.7%です(沖縄県企画部統計課『令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点』、令和7年3月31日)。マンションやアパートで暮らす人が多く、上下階や隣の住戸との距離が近い住まいが目立ちます。
また、那覇は夏の暑さが長く、湿度も高めです。
| 月 | 平均気温 | 平均湿度 |
|---|---|---|
| 1月 | 17.3℃ | 66% |
| 6月 | 27.2℃ | 83% |
| 7月 | 29.1℃ | 78% |
| 年平均 | 23.3℃ | 73% |
出典:気象庁 平年値(1991〜2020年)、那覇
厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』には、夏の寝室の室温が上がると睡眠時間が短くなり、睡眠効率が下がることが、実生活での調査で報告されている、と書かれています。夏の寝室はエアコンで涼しく保つことが重要と考えられる、とも書かれています。窓を閉めて寝る場合でも、入ってくる音が眠りに関わることがあります。
環境基準の夜間の値と、公的資料に書かれた睡眠と騒音の関係
国は「騒音に係る環境基準」を定めています(環境庁告示、平成10年9月30日、平成24年3月30日改正)。夜間は午後10時から翌日の午前6時までの時間帯で、地域の類型ごとに基準値が決まっています。
| 地域の類型 | 夜間の基準値 |
|---|---|
| AA(療養施設などが集まる、特に静かさが要る地域) | 40デシベル以下 |
| AおよびB(住居の用に供される地域) | 45デシベル以下 |
| C(住居と商業・工業などが混在する地域) | 50デシベル以下 |
出典:環境省「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環境庁告示64号、平成24年3月30日改正)
このほか、車線のある道路に面する地域には別の値があり、たとえばA地域のうち2車線以上の道路に面する地域の夜間は55デシベル以下、幹線交通を担う道路に近接する空間の特例では夜間65デシベル以下と定められています。窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音の基準(夜間40デシベル以下)によることもできる、とも書かれています。どの類型に当たるかは、都道府県知事(市の区域は市長)が地域ごとに指定します。
睡眠との関係については、厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』に次のことが書かれています。
- 道路・鉄道・航空機の騒音を屋外で測って主観的な睡眠との関連を調べた国際的な大規模研究では、騒音は住民の主観的な睡眠障害と関連していた。
- 寝室内で測った騒音は、睡眠効率の低下、寝つくまでの時間や夜中に目が覚めている時間の延長と関連していた。
- 騒音への感受性には個人差がある。欧州WHOガイドラインは、夜間の屋外騒音を40デシベル未満とすることを推奨している。
- 睡眠中に騒音にさらす実験では、目が覚める回数が増え、深い睡眠が減る結果が報告されている。一方で、慣れによって影響が減る現象もみられ、実験では影響を過大評価している可能性が示されている。
同じガイドには、屋外の騒音が気になる場合は十分な防音機能をもった窓や壁を設けて騒音を遮ることも重要と考えられる、という記述もあります。
音の種類と、窓の効き方
音は種類で性質が違い、窓の影響の出方も変わります。一般的には、次のように考えると整理しやすくなります。
| 音の例 | 届く道すじ | 窓の影響 |
|---|---|---|
| 道路の車やバイクの音 | 主に空気 | 窓まわりの対策で、やわらぐ場合があります |
| 飛行機・ヘリの音 | 主に空気(上からも届く) | 窓で変わる部分はありますが、屋根や壁からも伝わります。詳しくは 基地・空港まわりの防音 |
| 近所の話し声・犬の声・テレビ | 主に空気 | 窓の向きや距離で変わります |
| 上の階の足音・物を落とす音 | 建物の床や壁 | 窓では変わりません |
| 設備の低い振動音 | 建物や配管 | 窓では変わりにくい音です |
音の種類ごとの特徴は 生活音の種類別ガイド にもまとめています。防音全般は 防音のページ をご覧ください。
今日からできること
どれも一般的な方法で、効き方は住まいや音の種類によって変わります。
- 寝床の位置を、音の入ってくる窓からできるだけ遠くへ移す。睡眠ガイドのQ&Aに、幹線道路沿いの例として、寝床を窓から遠くに移すことで眠りが改善する可能性がある、と書かれています。
- 厚手のカーテンに替える。同じQ&Aに、防音や遮光の機能があるカーテンに取り換えることが挙がっています。
- 窓まわりのすき間を見直す。サッシのゴムパッキンのへたり、隙間風の入る場所があれば、そこから音も入りやすくなります(状態は現地で見ないと判断できません)。
- 寝室を静かな側の部屋に替える。道路側から、中庭や裏側の部屋へ移す方法です。
- 耳栓や、一定の音を流して気をそらす方法(ホワイトノイズなど)。合う人と合わない人がいます。
- 近所の音が続く場合は、まず管理会社、管理組合、自治体の窓口に相談する。工事の音・振動については 近隣工事の音・振動 もご覧ください。
窓まわりで変えられること
音が主に窓から入っているなら、次のような手立てがあります。
- 内窓(二重窓):今ある窓の内側にもう1枚窓を付け、窓と窓の間に空気の層をつくります。ガラスの種類や厚み、サッシのすき間の小ささで、音のやわらぎ方は変わります。種類の選び方は 内窓のページ をご覧ください。
- ガラスの厚みや種類の選択:内窓に使うガラスを、厚いものや合わせガラスなどにする方法です。
- すき間の少ない窓にする:内窓やカバー工法で、すき間の少ない窓にします。ガラスだけの交換・修理は、当社では扱っていません。
- カバー工法(今のサッシに新しい枠をかぶせる工事):主に断熱や交換が目的で、音への効き方は窓の仕様によって変わります。
どれを選ぶかは、音の高さ、入ってくる向き、お住まいの建物の造りで変わります。費用の目安は 料金のページ に、補助金は 補助金のページ にまとめています。補助金は製品や工事内容などの条件で決まるため、金額の見込みは各ページでご確認ください。
窓では解決しない場合・向かないケース
次のような音は、窓まわりを替えても変わりにくい場合があります。
- 上の階の足音、物を落とす音、椅子を引く音など、床や壁を伝わる音
- 配管や給排水、室外機・エレベーターなどの設備が出す振動音
- 室内で出ている音(冷蔵庫、家電、同居する家族の生活音)
- 窓以外のすき間(換気口、壁の薄い部分、玄関ドアまわり)から入る音
- すでに窓が閉まっていて、すき間もほとんどない状態で、それでも聞こえる低い音
また、窓を二重にすると、開け閉めの手間が増えます。窓を頻繁に開ける家、窓が小さく開口部まわりが狭い家では、向かない場合もあります。音の原因が窓かどうか分からないときは、先に原因を調べることをおすすめします。
賃貸・マンションの場合
賃貸の場合、窓まわりの工事は大家さんや管理会社の承諾が要り、退去時の原状回復も確認が必要です。分譲マンションは、窓の扱いが管理規約で決まっていることがあるため、確認が要ります。詳しくは 賃貸の窓リフォーム をご覧ください。
迷ったときの見分け方
次の順で、音の正体を切り分けてみてください。
- 窓を開けると音が大きくなるか。大きくなるなら、窓まわりの影響が大きい音です。
- 窓を閉めても同じ大きさか。同じなら、床や壁を伝わる音の可能性があります。
- 時間帯は決まっているか。決まっているなら、交通量、設備の運転時間、近所の生活リズムなどが手がかりになります。
- 寝る位置を変えると変わるか。変わるなら、窓や壁の近さが関係しています。
よくあるご質問
内窓をつければ、夜の音は気にならなくなりますか
音の種類と入ってくる道すじで変わります。車や話し声のように空気を伝わる音は、やわらぐ場合があります。床や壁を伝わる音は、窓では変わりません。気にならなくなる程度は、現地で音の入り方を見てから、お伝えします。
夜は何デシベルなら眠れますか
人によって違います。厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』にも、騒音への感受性には個人差があると書かれています。環境基準は、生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい値です。ご自身が眠れるかどうかの基準ではありません。
窓を閉めて寝ても音が聞こえます。どこから入っていますか
窓のすき間、ガラス、換気口、玄関ドア、壁などが考えられます。窓から入る音なら、内窓などで変えられる場合があります。窓以外から入る音は、窓では変わりません。
近所の音がつらいとき、窓の工事だけで済みますか
窓から入る音だけなら、窓で変わる場合があります。同じ建物の中で響く音は、窓では変わりません。管理会社などへの相談もあわせて検討してください。
このページで参照した資料
- 環境省「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環境庁告示64号、平成24年3月30日改正)
- 厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(令和6年9月18日一部修正)
- 気象庁 平年値(1991〜2020年)、那覇の月平均気温・湿度
- 沖縄県企画部統計課『令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点』(令和7年3月31日)
現地を見せていただいてから、正直にお伝えします
音は、同じ窓でも、入ってくる向きや高さ、建物の造りで変わります。現地調査とお見積りは無料です。窓まわりで変えられる音か、そうでない音かを、現地でお見せしながらお伝えします。窓では変わらないと分かったときは、そのとおり申し上げます。

