内見のときは、間取りや設備、日当たりの良さに目が行きます。ところが住み始めてから困るのは、「夕方になると部屋が熱を持つ」「窓を開けると外の音が気になる」「カーテンを開けられない」といった、窓まわりのことが少なくありません。

窓は、日射・音・視線・空気の湿り気が出入りする場所です。内見は短い時間ですが、見る場所を知っていれば、住んでからの様子をある程度想像できます。

この記事では、沖縄の賃貸を内見するときに窓まわりで見ておきたい点を、順に整理します。特定の物件や不動産会社を評価するものではありません。

沖縄の賃貸で、窓まわりが気になりやすい理由

沖縄は、本州と比べて暑さや湿気の影響を受けやすい土地です。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、那覇の月平均気温は1月が17.3℃、6月が27.2℃、7月が29.1℃、年平均が23.3℃です。湿度は1月が66%、6月が83%、7月が78%、年平均が73%となっています。

住まいの面では、令和5年住宅・土地統計調査(沖縄県結果の要点、令和7年3月31日)で、沖縄の住宅の非木造は96.5%、鉄骨鉄筋コンクリート造は93.8%、共同住宅は60.9%、借家は50.7%です。持ち家率は42.6%です。賃貸で、鉄筋コンクリートの共同住宅に住む人が多い土地だといえます。

コンクリートの建物は、日射で温まった熱が室内にたまりやすい場合があります。そこに湿度の高い空気が加わるので、窓まわりの条件の差が、暮らしやすさの差として表れやすくなります。

内見で窓まわりを見る10のポイント

1. 窓の向きと、隣の建物との距離

西向きや南西向きの窓は、午後から夕方に強い日射が入りやすくなります。暑さが気になる方は、リビングや寝室の窓がどの向きかを、まず確認します。向きが分からないときは、スマートフォンの方位アプリが目安になります。

向きだけでなく、隣の建物や庇(ひさし)、ベランダの奥行きで日射がさえぎられるかも見ます。同じ西向きでも、入り方は物件ごとに違います。詳しくは西日の対策のページをご覧ください。

2. 階数と、窓の外の様子

最上階は屋根からの熱を受けやすい場合があります。1階は外から視線が届きやすく、防犯面でも気をつけたい階です。窓の外に通路や駐車場、歩道があるかも見ておきます。

3. 窓の大きさと数

大きな掃き出し窓が多い部屋は、光が入って明るい反面、日射や視線の影響を受けやすくなります。一方で、小さい窓だけの部屋は、風が抜けにくいことがあります。窓の大きさと、風の通り道の両方を見ます。

4. ガラスの種類

ガラスが1枚のものか、2枚が組み合わさった複層ガラスか、遮熱や断熱のためのコーティングがあるかを確認します。見分けにくいときは、窓の端に注目します。複層ガラスは、枠の中にガラスが2枚ある様子や、間に空気層を保つための部材が見えることがあります。

分からなければ、管理会社や仲介担当者に尋ねます。

5. サッシの状態

窓を開け閉めして、動きが重くないか、鍵がしっかりかかるか、閉めたときに隙間がないかを確かめます。ゴムのパッキンが硬くなっていたり、レールにゴミや錆がたまっていたりする窓は、すき間風や雨水の浸入、音の出入りにつながる場合があります。網戸の破れや、戸車のきしみも見ておきます。

6. 結露やカビの跡

結露は、湿った暖かい空気が冷たい面に触れて水滴になる現象です。内見では、水滴そのものよりも、跡を探します。

  • 窓枠やゴムパッキンの黒ずみ
  • サッシ下のレールの水アカやカビ
  • 窓まわりの壁紙の浮き、変色、はがれ
  • 押し入れやクローゼットの壁面のにおい、湿り気

窓の近くだけでなく、外壁に接する壁や、収納の中も見ておくと手がかりが増えます。結露の詳しい原因は結露・カビのページで説明しています。

7. 外の音

窓を閉めた状態と、開けた状態の両方で、しばらく静かに耳を澄ませます。道路、線路、飲食店、学校、工場、基地や空港など、音の出どころを探します。音が気になる場合の考え方は防音のページにまとめています。

8. 視線と防犯

向かいの建物の窓やベランダ、通路から、部屋の中がどれくらい見えるかを、実際に外へ出て確かめます。内見者の目線と、通りがかる人の目線は違います。

1階や、共用の廊下に面した窓、ベランダから出入りしやすい窓は、鍵の種類や補助錠の有無を確認します。防犯の基本は防犯のページで説明しています。

9. エアコンの位置と台数

エアコンが付いている部屋か、取り付け用の設備(専用コンセントや配管用の穴)があるかを見ます。窓の大きい部屋にエアコンの設置位置が限られていると、涼しさが部屋の奥へ届きにくいことがあります。エアコンが効かないときの原因とも関わります。

10. 雨戸やシャッターの有無

台風の多い沖縄では、雨戸やシャッターの有無、動きのなめらかさも見ます。ベランダ側だけでなく、他の窓も確認しておくと、台風の時期に慌てずに済みます。台風と窓のページも参考になります。

時間帯を変えて見る、聞く

内見は昼間に1回だけ、ということが多いのですが、窓まわりは時間帯で表情が変わります。可能であれば、次のような工夫をします。

  • 午後の遅い時間(西日の入り方を見る)
  • 夕方から夜(外の音や、通りの人通り、街灯の明るさを見る)
  • 雨の日や、雨のあと(雨水の浸入や湿り気、窓の周囲の水アカを見る)

何回も見に行けないときは、周辺を別の時間帯に自分で歩くだけでも、手がかりになります。夜の様子は、近所の明るさや人の通り方を知る助けになります。

管理会社・仲介担当者に聞いておくとよい質問

内見の場で、気になった点を質問します。答えられないときは、後日確認してもらえるか尋ねます。

  • この部屋の窓は、複層ガラスですか。ガラスの種類を教えてください
  • 窓まわりの結露やカビで、過去に相談はありましたか
  • 窓の外の音について、入居者から出ている意見はありますか
  • 網戸、サッシ、鍵などの傷みは、入居前に直してもらえますか
  • エアコンは備え付けですか。台数と取り付け年を教えてください
  • 窓に内窓や防犯フィルム、遮熱フィルムなどを付けてもよいですか。付けてよい場合の条件を教えてください

最後の質問は、入居後の暮らしに関わります。契約の前に聞いておくと、後から困りにくくなります。

省エネ性能表示を物件選びに使うとき

国土交通省は、建築物の販売・賃貸の広告などで省エネ性能を示す「省エネ性能ラベル」の制度を設けています。国土交通省の案内では、2024年4月以降、新築建築物の販売・賃貸の広告等でラベルの表示が必要とされ、既存の建築物では表示は推奨とされています。

ラベルの必須項目には、エネルギー消費性能と、断熱性能があります。断熱性能は、建物からの熱の逃げにくさと、建物への日射熱の入りやすさの2つの点から見る指標だと説明されています。

つまり、既存の賃貸物件では、ラベルがない場合があります。ラベルがないことが、すぐに性能が低いという意味ではありません。ラベルがあれば、参考のひとつとして使えます。ただし、ラベルは建物全体の評価です。窓の向きや、部屋ごとの日射、外の音、視線といった点は、自分の目で確かめる必要があります。

窓では解決しないこと、内見で割り切る点

窓まわりを工夫しても、次のような点は変えにくいものです。

  • 音の出どころが、隣の部屋や上階の足音など、建物の構造による場合(窓以外の対策が中心になります)
  • 結露やカビの原因が、換気設備の不足や、壁・床下・屋根からの水分である場合
  • 部屋の向きや、周囲の建物の位置による日射の入り方
  • 1階や共用廊下に面した部屋での、人の出入りによる視線や気配

窓の性能を上げることで、やわらぐ場合はあります。ただし、窓の種類・向き・建物の状態で効果は変わります。「窓を直せば全部解決する」とは考えず、内見の段階で、変えにくい条件を許容できるかを判断するほうが、後悔が少なくなります。

入居後に賃貸でもできる工夫

退去時に元へ戻せる範囲で、次のような方法があります。

  • 遮光や遮熱をうたうカーテン、レースカーテンを使う
  • ベランダ側に、すだれやよしず、日よけ用のシェードを置く
  • 窓に貼る場合は、はがせる種類の断熱シートやフィルムを選ぶ(貼ってよいか、管理会社に先に確認します)
  • 結露対策として、換気、除湿機、除湿剤、窓まわりの水分をこまめにふく
  • 家具を壁にぴったりつけず、すき間をあける
  • 補助錠や、窓に付けるアラームを使う(取り付け方法は貼る・挟むタイプが賃貸向きです)

どの方法も、窓の性能そのものを変えるわけではありません。まず費用と手間の少ないものから試すのが現実的です。

入居後に内窓を付けたいとき

既存の窓の内側にもう1枚窓を付ける「内窓」は、賃貸でも付けられる場合があります。ただし、建物は貸主のものですので、取り付けには貸主や管理会社の承諾が必要です。承諾が出たあとも、退去時の扱い(そのまま残すか、外して元へ戻すか)を決めておくと、後でもめにくくなります。

契約書に、内装や設備を変えてはいけないという定めがある場合もあります。まず契約書を読み、管理会社に相談してください。承諾が必要な点、進め方の詳細は賃貸でも内窓は付けられる?のページにまとめています。費用は料金のページ、使える制度は補助金のページをご覧ください。

迷ったときの見分け方

内見のあとで、次の項目を振り返ってみます。

  • 主な部屋の窓の向きと、午後の日射の入り方が分かった
  • ガラスの種類(1枚か複層か)が分かった
  • サッシの開閉、鍵、パッキン、レールに傷みがなかった
  • 窓まわりに結露やカビの跡がなかった
  • 窓を閉めた状態の外の音が、許容できる範囲だった
  • 外から部屋の中が見えにくいと確認した(1階・共用廊下側は鍵の種類も)
  • エアコンの有無、位置、台数が分かった
  • 内窓やフィルムを付けてよいか、管理会社に聞いた

当てはまらない項目が多いほど、入居後に工夫が必要になる可能性があります。

よくあるご質問

賃貸の内見で、まず見るべき窓まわりの場所はどこですか。

一つ選ぶなら、リビングと寝室の窓の向きと、窓の周囲の結露・カビの跡です。向きは暑さに、跡は湿気の出方に関わります。

西向きの部屋は、いつも暑いのでしょうか。

そうとは限りません。西日の入り方は、階数、庇、隣の建物、窓の大きさ、日よけの有無で変わります。午後の遅い時間に見られるなら、実際の入り方を確かめるのが確実です。

1階の賃貸は、視線や防犯で後悔しやすいですか。

外から視線が届きやすい、人が窓に近づきやすい、といった点は、気をつけたい条件です。カーテン、目隠し、鍵や補助錠の有無を確認し、納得できるかで判断してください。

内見のときに、結露するかどうかは分かりますか。

内見の時点で結露するかどうかを断定するのは難しいです。ただ、窓まわりの黒ずみ、水アカ、壁紙の浮きといった跡は、これまでの様子を知る手がかりになります。

このページで参照した資料

  • 気象庁「平年値(1991〜2020年)」那覇の月別平均気温・湿度
  • 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月)
  • 国土交通省「省エネ性能表示制度」(省エネ性能ラベル)案内ページ

現地を見せていただいてから、正直にお伝えします

賃貸にお住まいで、窓の暑さ・音・結露が気になる方は、まず現状をお聞かせください。現地調査と見積りは無料です。窓が原因ではないと分かった場合や、賃貸の条件で取り付けが難しい場合は、そのようにお伝えします。入居前のご相談や、管理会社へ確認するときの整理にも、お役立てください。ご相談はお問い合わせからお受けしています。