内窓を付けたい。結露が気になる。そう思って業者に連絡しようとしたところで、手が止まる。「うちの窓って、何の種類だろう」。聞かれても答えられない。そんな場面は、実は珍しくありません。
住宅の窓は、サッシ(窓の枠)の材質、ガラスの種類、開き方の組み合わせで決まります。見た目が似ていても、中身が違うことがあります。この記事では、メーカー公式の案内で確認できる範囲で、ご自宅の窓を見分けるときの手がかりと、見積りの相談で伝えると話が早い情報をまとめます。分からないところは、写真を撮って送っていただければ大丈夫です。
まず知っておきたい窓の3つの要素
窓は、大きく3つの要素で説明できます。
- サッシの材質(アルミ・樹脂・アルミ樹脂複合)
- ガラスの種類(単板・複層・網入りなど)
- 開き方(引き違い・FIX・すべり出しなど)
YKK APの説明では、窓は「サッシ(枠と框)」と「ガラス」で構成されています。サッシは、窓を家に取り付ける枠と、ガラスをはめ込む框(かまち)からできている、とされています。
この3つが分かれば、業者はかなり正確に話を進められます。
サッシの材質:アルミ・樹脂・アルミ樹脂複合
サッシの材質は主に3種類です。YKK APの解説では、次のように整理されています。
| 種類 | 構成 | 特徴(メーカー説明) |
|---|---|---|
| アルミサッシ | アルミのみ | 軽くて丈夫。熱を伝えやすい |
| アルミ樹脂複合 | 室外側アルミ・室内側樹脂 | 外側の耐候性と、内側の樹脂による断熱性の両方を狙った構造 |
| 樹脂サッシ | すべて樹脂(PVC) | 熱を伝えにくい。アルミより価格が高い傾向 |
出典:YKK AP「『サッシ』とは?」(リフォームコラム)、日本サッシ協会「アルミ樹脂複合構造」用語解説
日本サッシ協会は、アルミ樹脂複合構造を「室外側をアルミニウム合金押出形材、室内側をPVC等の樹脂押出形材としたサッシの構造」と説明しています。
見た目で迷ったとき
材質は、見た目だけでは判断しにくいことがあります。室内側から見て、枠が金属の質感なのか、樹脂(プラスチックのような質感)なのかが手がかりの一つです。ただし、確実なのは型番やラベルの確認です。次の章で説明します。
型番・ラベル・刻印はどこにある?
サッシやガラスには、メーカーが貼ったラベルや刻印がある場合があります。ここでは、メーカー公式の案内で確認できた範囲を書きます。
YKK APの窓の場合
YKK APの修理案内には、次のように書かれています。
- 窓関係の商品は、ラベルを室内側の右上に貼っている
- ガラスの刻印は、室内側の右下にある
- 商品によっては、ラベルがないものもある
ガラスの刻印では、次のことが分かる場合があります。
- YKK AP製の複層ガラスには、室内側の右下または左上にYKK APのロゴマークがレーザーマーキングで入っている
- Low-E複層ガラスの場合、右下のロゴの上に「LowE」とアルファベット1文字が入っている。S・M・Uは遮熱タイプ、B・L・Nは断熱タイプを表す(2005年9月以前に施工されたものは、刻印から判断できない)
- ガラス構成コード(例:P3P3)の4文字が、2枚のガラスそれぞれの厚さを示す。その前の2桁が空気層の厚さ(2010年2月以前のガラスは、刻印から厚さやサイズを判別できない)
- 防犯性のある合わせ複層ガラスは、室内側右下に「CP」の文字が入ったマーキングかラベルがある
なお、YKK APの案内では、単板(1枚)ガラスはYKK AP製ガラスではないとされています。
LIXILの窓の場合
LIXILのサポートページでは、商品に貼られたラベルの二次元コードをスマートフォンで読み取ると、お手入れ方法などを確認できると案内されています。コードがない場合は、ラベルの品番や商品名で検索できます。品番は、ハイフンを省略せずに半角英数字で入力する、と書かれています。
サッシのラベルの貼付位置は、商品の取扱説明書で確認する形です。引き違い窓などのはずれ止めの近くに表示ラベルを貼ってある、と取扱説明書に記載されています。
三協アルミ・その他のメーカー
三協アルミなど、この記事で公式ページを確認できなかったメーカーのラベル位置は、ここには書きません。ラベルが見つからないときは、窓の全体と、サッシの枠・ガラスの隅を撮った写真をお送りください。
製品名の読み方(YKK APの例)
YKK APの「APW」で始まる製品名では、後ろの3桁に意味があります。2桁目は材質を表し、1がアルミ樹脂複合、3が樹脂、5が木製です。3桁目は、0が窓、1がテラス(人の出入りに適した高さがある商品)です。たとえばAPW330は、樹脂の窓です。
ガラスの種類:単板・複層(ペアガラス)・網入り・型板
単板と複層(ペアガラス)
複層ガラスは、日本板硝子の説明で「2枚以上のガラス板の間に乾燥した空気層やアルゴンガス層を設け、しっかり密閉した構造」とされています。ペアガラスは、この複層ガラスの通称として使われることが多い言い方です。単板ガラスは1枚のガラスです。
見分けるときは、次の順で確認すると整理しやすくなります。
- 先ほどの刻印・ラベルを探す(メーカー公式で確認できる方法)
- 品番や商品名が分かれば、メーカーの検索や業者への問い合わせで仕様を調べる
- 分からなければ、ガラスの端が見える角度の写真を撮って送る
ライターの炎の映り方で見分ける方法などを見かけることがありますが、メーカー公式ページで確認できなかったため、ここでは扱いません。安全面からも、おすすめしません。
網入りガラス・線入りガラス
日本板硝子の製品ページでは、網入板ガラスは「製造時に金網を入れたガラス」で、防火性や飛散防止性があると説明されています。割れても安全なガラスという意味ではない、とも書かれています。線入りガラスは、同社の説明では一般的に防火ガラスとしては使用できません。網か線かで性格が違うため、写真で業者に見てもらうのが確実です。
型板ガラス
型板ガラスは、日本板硝子の説明で、ガラス表面に模様を付けたものとされています。浴室やトイレの窓など、視線を遮りたい場所に使われます。
ガラスにこうした特徴があるときは、写真と一緒にお伝えください。内窓のガラス選びは、内窓のガラス選びも参考になります。
開き方:引き違い・FIX・すべり出しなど
YKK APの「窓の開き方」の解説では、主な窓は次のように分けられています。
- 引違い窓:横にスライドして開く。日本で最も多いタイプとされる
- 片引き窓:片側が固定で、もう一方をスライドして開く
- 片上げ下げ窓:上下2枚のうち、下側だけが動く
- たてすべり出し窓:縦方向を軸に、室外側へすべらせて開く
- すべり出し窓:横方向を軸に、室外側へすべらせて開く
- 突き出し窓:上側を軸に、下部を外へ押し出して開く
- FIX窓(はめ殺し窓):開閉できない窓
- 内倒し窓・外倒し窓:下側を軸に、室内側または室外側へ倒して開く
窓の開き方は、内窓やカバー工法を選ぶときにも関わります。たとえば、LIXILの内窓「インプラス」のQ&Aでは、内倒し窓・回転窓・内開き窓、上げ下げ窓には取り付けできないと案内されています。商品ごとに条件が違いますので、まず窓の開き方をお伝えください。
写真を撮るときのコツ
見積りの相談では、写真があると話が早く進みます。YKK APの修理案内も、商品の全景、商品ラベル、気になる箇所、ハンドルや鍵(クレセント)の写真を求めています。内窓やカバー工法の相談でも、同じ考え方で撮っておくと役立ちます。
- 窓全体:部屋の中から、窓がすべて入るように。可能なら少し離れて、カーテンも開けて
- 外側から見た窓全体(安全にできる範囲で)
- サッシの断面:窓を開けた状態で、枠や框が見えるところ
- ガラスの端と隅:特に室内側の右下・左上(刻印の確認に使えます)
- ラベル:枠の右上付近やはずれ止めの近くなど、貼ってありそうな場所。文字が読めるように近づけて
- ハンドルや鍵(クレセント)、ストッパー部分
- 窓の寸法:メジャーを当てた写真があると、概算の確認に役立ちます
- 窓の周りの様子:カーテンレール、エアコン、換気扇、額縁(窓枠まわりの枠)の奥行きが分かる写真
スマホのフラッシュは切るか、ガラスの反射を避ける角度で撮ると、刻印が読みやすくなる場合があります。
業者に相談するとき、伝えると話が早い情報
分からないところは「分からない」で大丈夫です。分かる範囲で、次のことをお伝えください。
- 住まいの種類(戸建て・マンション・アパート、賃貸か持ち家か)
- 窓の場所と数(どの部屋の窓か)
- 気になっていること(結露、暑さ、寒さ、音、防犯など)
- 窓の開き方(引き違い、FIXなど)
- 分かる範囲のサッシの材質とガラスの種類
- ラベルや刻印の写真、または品番
- 窓の大まかな寸法
- 過去にガラスを割った、取り換えたなどの経緯
マンションの場合は、窓の工事に管理組合などの承認が必要なことがあります。LIXILのQ&Aでも、集合住宅では管理組合などへの事前承認が必要な場合がある、と案内されています。賃貸の場合は、賃貸でも内窓は付けられる?やマンションの内窓もご覧ください。
窓の種類ごとに「できること・向いている方法」
ここは、あくまで大まかな整理です。実際に付けられるかどうかは、現地で窓枠の状態や奥行きを見て判断します。
YKK APのコラムでは、窓の改修方法を次のように説明しています。
| 方法 | 内容 | 向いている場面(メーカーの説明から) |
|---|---|---|
| 内窓 | 既存の窓を残し、室内側にもう1つ窓を付ける | 既存の窓をそのまま使い、断熱・防音・結露対策を考えたいとき |
| カバー工法 | 既存の窓枠の上から新しい窓枠をかぶせる | サッシ自体が古い、窓の開き方も変えたいとき。窓サイズは一回り小さくなる |
| ガラス交換 | サッシはそのまま、ガラスだけ交換する | ガラスだけを替えたいとき。サッシの断熱性・気密性は変わらない |
出典:YKK AP「窓ガラスの交換方法は?」ほか(リフォームコラム)
既存の窓がアルミ単板のとき
アルミサッシに単板ガラスという組み合わせは、YKK APの分類でも「アルミ窓」として説明されています。内窓を付ける方法、カバー工法で窓ごと替える方法、アタッチメント付きの複層ガラスに交換する方法が考えられます。それぞれの違いは内窓とカバー工法の違いで詳しく説明しています。
既存の窓がFIX窓のとき
YKK APのコラムでは、FIX窓の改修方法としてカバー工法が紹介されています。開閉しない窓は、内窓の取り付けができるかを現地で確かめる必要があります。換気窓付きFIX窓では、内窓側もFIXにすると換気窓として使えなくなる、とLIXILが案内しています。
型板ガラスの窓のとき
浴室やトイレに多い型板ガラスも、内窓を付けられる場合があります。内窓のガラスを同じように目隠し用にするかなど、選択肢があります。内窓の商品によって選べるガラスが変わるため、商品ごとの確認が必要です。
内窓が向かない・付けられないケース
正直にお伝えします。内窓が付けられない、または向かないケースもあります。LIXILの内窓「インプラス」のQ&Aでは、次のような窓は取り付けできないと案内されています。商品によって条件は違いますので、一例としてご覧ください。
- 内倒し窓、回転窓、内開き窓
- 室内側にエアコンや換気扇が付いている窓
- 上げ下げ窓
- 天窓など、垂直でない壁面の開口部
また、窓枠の奥行きが足りない場合は、ふかし枠という補助枠が必要になることがあります。ふかし枠が使えないケースも案内されており、アルミ製の窓枠、床がコンクリートや畳の場合、窓の正面にカーテンレールボックスがある場合などです。
内窓は、既存の窓の室内側に付ける方法です。サッシの傷みが激しい、窓の開き方自体を変えたい、といったときは、カバー工法のほうが向く場合があります。窓の種類で迷うときは、現地で拝見して判断します。内窓の弱みについては内窓のデメリットもご覧ください。
沖縄で窓の種類を調べるときのポイント
沖縄の住宅は、非木造の割合が高く、共同住宅や借家も多い地域です。令和5年住宅・土地統計調査の沖縄県結果の要点(令和7年3月31日)では、非木造が96.5%、共同住宅が60.9%、借家が50.7%とされています。
このため、ご相談では次のようなケースが多くあります。
- 集合住宅で、サッシが共用部分かどうか分からない
- 賃貸で、管理会社への確認が必要
- 築年数の違う窓が、同じ住戸内に混ざっている
まず、管理規約や契約書を確認してみてください。そのうえで、窓の写真を撮り、お問い合わせください。台風や塩害が気になる場合は、台風や塩害のページもご覧ください。
よくあるご質問
ペアガラスかどうか、自分で確実に分かりますか。
メーカー公式で確認できる確実な方法は、ガラスの刻印やラベル、品番から調べる方法です。刻印がない、読めないといったときは、写真をお送りいただければ拝見します。一般的な見た目の特徴だけで断定はできません。
型番が見つかりません。相談できますか。
できます。ラベルは、商品によってはないものもあります。窓全体、サッシの断面、ガラスの端、寸法の写真があれば、概算の相談が可能です。
写真だけで見積りはできますか。
写真で現在の窓の種類をお伺いし、おおよその方向性をお伝えできます。正確な金額は現地調査で窓枠の状態や奥行き、寸法を確かめたうえでご案内します。現地調査・見積りは無料です。料金の目安は料金のページをご覧ください。
補助金は使えますか。
制度や対象は年度で変わります。補助金のページと先進的窓リノベ2026をご覧ください。窓の種類によって対象になるかが変わるため、対象かどうかはお問い合わせください。
このページで参照した資料
- YKK AP「『サッシ』とは?」(リフォームコラム)
- YKK AP「窓の開き方」(窓の教科書)
- YKK AP「窓ガラスの交換方法は?」(リフォームコラム)
- YKK AP「FIX窓(はめごろし窓)をリフォームしたい!」(リフォームコラム)
- YKK AP よくあるお問い合せ:ラベル・刻印、Low-E、防犯合わせガラス、ガラス構成コード、APWの番号の意味
- YKK AP 修理のご依頼(ラベルと刻印の位置、必要な写真)
- LIXIL「商品ラベル」サポートページ
- LIXIL よくあるご質問「内窓『インプラス』の取り付けについて知りたい」
- 日本サッシ協会「アルミ樹脂複合構造」用語解説
- 日本板硝子 ガラスワンダーランド(板ガラス・複層ガラス・クロスワイヤー)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点(令和7年3月31日)
現地を見せていただいてから、正直にお伝えします
窓の種類は、写真でおおよそ分かる部分と、現地で確かめないと分からない部分があります。サッシの状態や窓枠の奥行きは、実際に拝見して初めて判断できます。マドアーズ!沖縄は、写真でのご相談が可能です。現地調査・見積りは無料です。内窓が合う窓なのか、カバー工法のほうが向くのか、そもそも窓の工事では解決しないのか。現地を見たうえで、正直にお伝えします。まずはお問い合わせから、窓の写真をお送りください。

