寝ようとして目を閉じても、カーテンの端から細い光が伸びている。車が通るたびに、天井をライトが横切る。向かいの建物の明かりが、壁をぼんやり照らしている。そんな寝室では、気になって寝つけない、と感じる人もいます。

反対に、朝の早い時間に、まぶしさで目が覚めてしまう悩みもあります。まだ眠りたいのに、明るさで起こされる。夜と朝で、同じ「光」の悩みです。

この記事では、光がどこから入るのかを整理し、今日からできる対策、窓まわりで変えられること、窓では解決しないことを、順番にお伝えします。窓の工事をおすすめするための記事ではありません。まずは自分でできることから見ていきましょう。

寝室の光と睡眠の関係

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、寝室の光についての記述があります。確認できた内容は次のとおりです。

  • 寝ている間は、低い照度の光でも中途覚醒時間を増加させ、睡眠の効率を下げることが報告されています。そのため、寝室の照明にも配慮することは重要と考えられる、とされています。
  • 寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが、良い睡眠に寄与するとされています。
  • 観察研究の系統的レビューで、夜間の光曝露が睡眠障害と関連していることが報告されています。
  • 就寝時には照明は消すように心がけましょう、とされています。

つまり、窓から入る弱い光でも、人によっては眠りの妨げになる可能性があります。「気のせい」と我慢しなくて大丈夫です。

出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)

光はどこから入ってくるのか

光は、ガラスだけでなく、窓のまわりのすき間からも入ります。一般的には、次のような場所が考えられます。

入り口起こりやすいこと
カーテンの左右・上のすき間細い線状の光が壁や天井に伸びる
カーテンと床のあいだ足元に光の帯ができる
カーテンの生地そのもの生地を透かして、全体がぼんやり明るい
窓の上の小窓、換気口まわりカーテンが届かず、光が直接入る
ドアの下や、ドアの上の欄間廊下・共用部の明かりが入る

沖縄は、鉄筋コンクリート造の住宅が多く、共同住宅の割合も高い地域です。令和5年住宅・土地統計調査(沖縄県結果の要点、令和7年3月31日)では、非木造が96.5%、共同住宅が60.9%、借家が50.7%でした。集合住宅では、隣の棟、共用廊下、駐車場の照明など、自分では動かせない明かりが近くにあることがあります。

また、夜間は、窓の外が暗く、室内が明るいほど、ガラスが鏡のように室内を映します。逆に、外の明かりが強い場所では、カーテンの小さなすき間でも目立ちやすくなります。まずは、部屋を暗くして、どこに光が見えるかを確かめることが近道です。

今日からできる対策

まずは「光の道すじ」を見つける

夜、部屋の電気を消して、寝る位置から窓のほうを見てみてください。線の光が見える場所、生地が透けて明るい場所が分かります。スマートフォンのライトを使わず、目で確かめるのがコツです。

遮光カーテンを選ぶときの見方

遮光カーテンには、遮光性の高いほうから1級、2級、3級の等級表示があります。環境省の資料には、カット率が高い1級から、2級、3級の3つの等級がある、と書かれています。同じ資料には、業界で決まった基準はなく、メーカー独自でカット率やランクが表示されている、とも書かれています。

つまり、同じ「1級」でも、どの基準の表示かを確かめたほうが安心です。店頭やカタログで、等級の根拠や遮光率の数字が書かれているかを見てみましょう。環境省の資料には、現在のカーテンに後付けできる遮光裏地なども販売されている、とも書かれています。

生地よりも「サイズ」と「取り付け方」

どれだけ遮光性の高い生地でも、すき間があれば光は入ります。一般的に、次の工夫が使われます。

  • 幅は窓より左右に広く、丈は床に近いところまで長くする
  • カーテンレールの上に、すき間をふさぐカーテンボックスや、上部を覆う部材を付ける
  • 左右の合わせ目を重ねるタイプや、サイドを覆う形のカーテンを選ぶ
  • 窓の上にある小窓には、ロールスクリーンやブラインドを別に付ける

なお、窓の内側にカーテンを吊るときは、ガラスに密着しないように注意が必要です。LIXILの内窓ガラスの案内には、カーテンはガラスに密着しないように取り付けてください、ガラスの熱割れのリスクが高まります、という注意書きがあります。

賃貸でも使えるもの

穴をあけない方法もあります。突っ張り棒式のレールや、窓枠に挟むタイプのロールスクリーン、すき間に貼る遮光テープなどが市販されています。製品ごとに取り付けの条件や耐荷重が違うため、説明書で確認してください。

光を直接受けない工夫

厚生労働省のガイドには、幹線道路沿いで夜間も車の騒音や照明が室内に入る場合について、次の説明があります。カーテンを防音や遮光の機能があるものに取り換え、寝床の位置をできるだけ窓から遠くに移動させることで、眠りが改善する可能性がある。その他にも、寝室の温度、湿度、照明強度の調整も有効、とされています。

ベッドの向きや位置を変えるだけでも、光の当たり方は変わります。

アイマスクと室内の照明

どうしても外の光を減らせない場合は、アイマスクも選択肢です。厚みや締めつけ感は人によって合う合わないがあるので、短時間から試すのがよいでしょう。

室内の照明も見直せます。ガイドには、就寝の約2時間前からメラトニンの分泌が始まり、それ以降に照明やスマートフォンの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制される、と書かれています。就寝前は照明を暗めにし、寝るときは消す、が基本です。暖色に調光したLED照明でも、短波長光(ブルーライト)が多く含まれるため、夜間は明るすぎないよう調節する、とされています。

夜中にトイレへ行く場合は、間接照明や足元灯で、目に入る光の量を減らす工夫が紹介されています。

朝日で早く目が覚めるとき

朝日については、少し事情が違います。ガイドでは、起床後に朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠・覚醒リズムが整う、とされています。日中に光を多く浴びることで、夜間の入眠が促される、とも書かれています。

つまり、朝の光そのものは、睡眠にとって悪者ではありません。ただし、予定より早く目が覚めてしまい、睡眠時間が足りないと感じる場合は、寝室の窓だけ遮光を強め、起きたい時間に合わせて光を入れる、という使い方も考えられます。

たとえば、次のような工夫があります。

  • 遮光カーテンの内側に、薄手のレースやロールスクリーンを重ね、起きる時間に開ける
  • 目覚まし用のライトなど、時刻を決めて光を入れる道具を使う
  • 日中は、外に出る、窓際で過ごすなどして、光を浴びる時間を確保する

早朝に目が覚める状態が長く続く場合は、光以外に原因があることもあります。ガイドには、睡眠の不調や睡眠休養感の低下が長く続く場合、背後に睡眠障害が潜んでいることがある、と書かれています。日中の生活に支障があれば、医師に相談してください。

窓まわりで変えられること

ここからは、窓そのものや窓に付けるものの話です。光に対して窓まわりでできることは、次のように整理できます。

方法光に対して期待できること注意したい点
遮光カーテン・ロールスクリーン生地とすき間を減らして、光を入れにくくするサイズと取り付け方で差が出る
ブラインド・シェード光の量を調整しやすい羽根のすき間から光が入る場合がある
内窓のブラインド入りガラス視線や光の量を調整しやすい下記のとおり、すき間が残る
型板ガラスなど光を通しながら視線をさえぎる光を暗くするためのものではない

内窓のメーカーであるLIXILの「インプラス」には、ブラインドを中に入れた複層ガラスや、型板ガラス、フロストガラス、和紙調ガラスなどの種類があります。ただし、メーカーの案内では、目隠しの注記として、ブラインドのスラットは完全に閉じきらないため視線の角度によっては遮視できない、完全な遮視が必要な場合は型板ガラスと組み合わせて使う、と書かれています。これは「視線」についての記述で、夜の光をどの程度さえぎるかについては、メーカーの資料では確認できませんでした。

型板ガラスやフロストガラスは、光を通しながら視線を和らげるためのガラスです。光を暗くするためのものではありません。内窓を付ければ、夜の光が遮れる、とは言えません。

ガラスの種類の考え方は、内窓のガラス選びで整理しています。内窓そのものの仕組みは内窓とはをご覧ください。

窓では解決しない・向かないケース

正直にお伝えします。光の悩みでは、窓の工事だけでは解決しないことがあります。

  • すき間から入る光:カーテンの左右・上、ドアの下、欄間などから入る光は、窓のガラスを替えても変わりません。まずはカーテンのサイズや取り付けを見直したほうが、費用も手間も小さく済みます。
  • 目的が「光」だけの場合:窓の工事は、断熱・防音・結露など、ほかの目的と合わせて考えるのが一般的です。光の対策だけが目的なら、カーテン、ロールスクリーン、アイマスクなどで足りることも多くあります。
  • ベッドの位置が原因の場合:窓の正面に頭がある配置では、窓まわりを替えても光は目に入りやすくなります。位置を動かせるか、先に確かめてみてください。
  • 朝の光が好ましい人:体内時計を整えるために、朝は光を入れたい人もいます。窓まわりを暗くしすぎると、かえって起きづらくなる場合があります。
  • 室内の光が原因の場合:スマートフォンの画面、待機ランプ、充電器の表示灯など、室内の小さな光が気になっていることもあります。
  • 睡眠障害が疑われる場合:光を暗くしても眠れない状態が続くときは、医師に相談してください。

内窓には、開け閉めの手間が増えるなど、向かない点もあります。内窓のデメリットもあわせてご覧ください。

賃貸・マンションの場合

沖縄は借家が多く、窓まわりの工事ができるかどうかは、管理規約や貸主の承諾によります。まずは原状回復の条件を確認しましょう。

カーテンやロールスクリーンは、穴をあけない方法を選べば、承諾が不要な場合もあります。内窓については、賃貸の場合を賃貸でも内窓は付けられる?、マンションの場合をマンションの内窓で解説しています。共用部分に当たる窓やサッシは、個人で手を入れられないことがあります。

迷ったときの見分け方

次の順に確かめると、整理しやすくなります。

  • 夜、部屋を暗くして、光が見える場所はどこか(カーテンのすき間、生地の透け、窓の上、ドアの下)
  • 光が入る時間はいつか(深夜の車、早朝の朝日、一晩中の街灯)
  • ベッドの位置を動かせるか
  • いまのカーテンの幅・丈は、窓に対して足りているか
  • 光以外に、音や暑さ、結露の悩みもあるか
  • 賃貸の場合、工事の承諾が取れるか

光だけの悩みなら、窓の工事の前に、カーテンの見直しとベッドの位置の確認をおすすめします。音の悩みも重なっている場合は、防音の対策も一緒に考えると、まとめて整理しやすくなります。

よくあるご質問

遮光カーテンを閉めても、まだ明るく感じるのはなぜですか。

生地の遮光性が足りない場合と、すき間から光が入っている場合があります。夜、部屋を暗くして、線の光や生地の透けを確かめると、原因を分けやすくなります。

内窓を付ければ、夜の光は入らなくなりますか。

入らなくなるとは言えません。内窓のメーカーの資料でも、ガラスの種類としては、型板ガラスやブラインド入りガラスなどが案内されていますが、夜の光をどの程度さえぎるかは確認できていません。すき間から入る光は、窓の工事では変わりません。現地を見て、光の入り方を確かめてからご相談ください。

朝日で早く目が覚めますが、遮光したほうがよいですか。

朝の光は体内時計を整えるとされています。早く目が覚めて睡眠が足りないと感じる場合に、寝室だけ遮光を強め、起きたい時間に光を入れる使い方が考えられます。早朝覚醒が長く続く場合は、医師にご相談ください。

アイマスクは使ってよいのでしょうか。

光を減らす手段のひとつとして使えます。締めつけや蒸れが気になる場合は、無理に続けず、カーテン側の対策を優先してください。

このページで参照した資料

  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)
  • 環境省「省エネライフスタイルカレンダー」遮光カーテンの項(COOL CHOICE)
  • LIXIL「インプラス」ガラスの種類・目隠しに関する製品情報とよくあるご質問
  • 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」沖縄県結果の要点(令和7年3月31日)

現地を見せていただいてから、正直にお伝えします

夜の光の悩みは、窓だけでなく、カーテン、ベッドの位置、建物の周囲の明かりが関わります。現地調査・お見積りは無料です。実際の窓や寝室を見せていただき、窓の工事が役に立つ場合も、カーテンの見直しで足りる場合も、窓ではないと分かればそのとおりにお伝えします。ご相談はお問い合わせからどうぞ。