夜勤が終わって帰宅し、カーテンを閉めて横になる。それでも部屋の隙間から光が入り、外では車や工事の音がして、気づけば部屋が暑くなっている。昼間に眠る人は、夜に眠る人とは違う条件で寝ています。
昼間の寝室は、明るくて、暑くて、にぎやかになりやすい時間帯です。「寝つけない」「すぐ目が覚める」の背景に、体の問題だけでなく、部屋の条件が重なっていることがあります。
このページでは、昼間に寝る人の寝室で起きやすい「光・暑さ・音」を順に整理します。自分でできる工夫から、窓まわりで変えられること、窓では解決しないことまで、正直にお伝えします。
昼間の寝室は、なぜ眠りにくいのか
夜に眠る場合、寝室は暗く、気温も下がり、街も静かになっていきます。昼間はその逆です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)には、良い睡眠のための環境づくりとして、光・温度・音に配慮することが挙げられています。要点は次のとおりです。
- 光:寝ている間は、低い照度の光でも中途覚醒(途中で目が覚める時間)が増え、睡眠の効率が下がることが報告されている。寝室はできるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながる。
- 温度:夏の寝室の室温が上がると、睡眠時間が短くなり睡眠効率が下がることが、実生活での調査で報告されている。夏の寝室はエアコンで涼しく保つことが重要と考えられる。
- 音:寝室内で測った騒音が、睡眠効率の低下や、寝つくまでの時間・夜中に目が覚める時間の延びと関連したという研究がある。静かな睡眠環境の確保が重要と考えられる。
つまり、昼間に眠る人の寝室は、この3つが一度に崩れやすい条件です。
沖縄では「暑さ」が重なりやすい
那覇の月平均気温は、7月で29.1℃、湿度は78%です(気象庁 平年値1991〜2020)。6月は27.2℃で湿度83%と、気温だけでなく湿気も高い時期が続きます。昼間に寝る人にとっては、日射が強い時間帯に寝室が暖まりやすいことになります。
住まいの事情も関係します。令和5年住宅・土地統計調査(沖縄県結果の要点)では、沖縄の住宅の非木造は96.5%、共同住宅は60.9%、借家は50.7%です。コンクリートの建物は、日中に受けた熱をためやすい性質があります。くわしくはRC住宅の暑さでも説明していますが、この記事では昼間睡眠の視点で見ていきます。
今日からできること
まず、お金をかけずにできることから整理します。
光を減らす
- 遮光カーテンに替える、または今のカーテンに裏地をつける。カーテンの上下や横のすき間から入る光も多いので、丈や幅に余裕のあるものを選ぶ。
- 窓の内側に遮光シートやアルミ系のシートを貼る。賃貸では、はがせるタイプを選ぶ。
- 目元を覆うアイマスクを使う。
睡眠ガイドは、夜間の道路沿いの住まいでの相談への答えとして、「カーテンを防音や遮光の機能があるものに取り換え、寝床の位置をできるだけ窓から遠くに移動させることで眠りが改善する可能性があります」と示しています。寝る位置を窓から離すのは、費用がかからない方法です。
暑さをやわらげる
- 寝る30分〜1時間前から、エアコンで寝室を冷やしておく。
- 日射が入る時間帯は、窓の外側でさえぎる。環境省のサイトでは、窓の外側に「ひさし」や「軒」を出す、ルーバー(よろい戸)やオーニング(日よけ)をつける方法が挙げられています。
- 室内側のカーテンを閉めても、日射の熱は窓ガラスを通って室内に入っています。外側で日射を止めるほうが、一般的には効きやすいと言われます。
睡眠ガイドは、夏の寝室について「エアコンを用いて涼しく維持することが重要」としています。昼間に寝る場合も、考え方は同じです。
エアコンの風が直接体に当たると不快に感じる人もいます。風向きを変えるなど、自分に合う使い方を探してください。エアコンの効きが悪いと感じるときは、エアコンが効かない原因も参考になります。
音を減らす
- 寝る位置を窓や道路側から離す。
- 耳栓を使う人もいます。耳が痛くなる、聞こえなくなると不安になるなど、合う・合わないがあります。短い時間で試して、自分に合うか確かめてください。
- 同じ建物の生活音が気になるときは、管理会社や管理組合に相談する余地があります。
睡眠ガイドでは、騒音の影響は慣れで減る場合があるとも書かれています。ただし、騒音への感じ方には個人差があります。「慣れるはず」と我慢するより、条件を整えるほうが現実的です。
生活リズムの考え方
睡眠ガイドは、交替制勤務を「体内時計に負担がかかる働き方」と位置づけています。夜勤の回数が週に1〜2回程度の場合には、夜勤明けでもすぐに眠らず、夕方以降に少し長めに眠って翌朝の日勤に合わせる方法があるとも紹介しています。ただし、夜勤が多い働き方では、この方法だと睡眠不足が深刻になる場合があるとも書かれています。
つまり、どう眠るかは勤務の組み方で変わります。このページは眠り方の指導ではなく、「眠る部屋の条件」を整える話に絞ります。なお、不眠や日中の眠気が続いて生活に支障がある場合は、ガイドも医療機関の受診を勧めています。
窓まわりで変えられること
自分でできる対策をしても、部屋が明るく暑く、うるさいと感じる場合は、窓まわりを見直す余地があります。窓は、光・熱・音の3つが出入りする場所だからです。
| 方法 | 光 | 暑さ(日射) | 音 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 遮光カーテン | 減らしやすい | 窓ガラスを通った後なので、外で止めるより効きにくい | 少し | すぐ始めたい、賃貸 |
| 遮光・遮熱フィルム | 種類による | 日射をやわらげる場合がある | ほぼ変わらない | 工事なしで試したい |
| 外側の日よけ(すだれ・オーニングなど) | 日射が当たる時間帯は減らしやすい | 窓の外で止められる | 変わらない | 持ち家、ベランダ側 |
| 内窓 | 光は透ける。カーテンとの併用が前提 | 窓の種類・向きで変わる | やわらぐ場合がある | 音と暑さの両方が気になる |
| 窓のカバー工法(窓ごと交換) | ガラスの種類による | ガラスの種類による | 窓の気密性が上がり、やわらぐ場合がある | 窓が古い、傷んでいる |
内窓でできること
内窓は、今の窓の内側にもう1つ窓を付ける方法です。窓が二重になり、間に空気の層ができます。
- 音:外の音が気になるときに、やわらぐ場合があります。くわしくは防音の考え方をご覧ください。
- 暑さ:窓の外側から入る熱を窓の部分で減らしやすくなります。ガラスの種類(遮熱タイプなど)や窓の向きで変わります。西日が強い窓は西日の対策も参考になります。
- 光:ガラスが透明なら、光は通ります。昼の光を窓だけで止めることはできないので、遮光カーテンやブラインドを併用する前提で考えます。
遮熱フィルムとの違いは遮熱フィルムと内窓の比較で、条件つきで整理しています。
「窓を変えれば、昼でも真っ暗」にはなりません
窓まわりで変えられるのは、主に熱と音です。光については、ガラスの種類やフィルムで入る光の量を減らす方法はありますが、昼間の強い光を窓だけで止めることはできません。遮光カーテンや遮光ブラインド、遮光スクリーンなど、窓の内側に付ける道具と組み合わせて考えます。
窓では解決しない・向かないケース
正直に、窓では変わりにくいことを書きます。
- 同じ建物の中の音:隣や上の階の足音、廊下や玄関まわりの音は、壁や床、ドアを伝ってきます。窓を替えても変わりにくいです。
- 隙間からの光:サッシのまわり以外に、換気口、ドアの隙間、天窓、壁の隙間から入る光は、窓の工事では減りません。
- 昼間の気温そのもの:冷房が弱い、部屋が広すぎる、天井や壁から熱が入る、といった場合は、窓だけを替えても暑さが残ります。部屋の位置(最上階、角部屋)や屋根・外壁の影響もあります。
- 体内時計や勤務の組み方:寝室の環境を整えても、勤務の組み方で眠りにくい日はあります。睡眠の不調が続くときは、窓の相談より医療機関への相談が先です。
- 窓の外の工事や強い騒音:音の種類(低い音の振動、重機など)によっては、内窓を付けても気になることがあります。現地で音の入り方を確かめてからご判断ください。
沖縄では、基地や空港に近い地域の飛行機の音が気になる方も多くいます。その場合は基地騒音のページも参考になります。
賃貸・マンションの場合
沖縄は借家が多く、共同住宅も多い地域です。窓まわりを変えたい場合、次の点をご確認ください。
- 窓やサッシの扱いは、建物や契約で異なります。工事の前に、管理会社や管理組合、オーナーの承諾が必要な場合があります。
- 退去時に原状回復が求められることがあります。内窓は、元の状態に戻せる工法が選べるケースもあります。契約書や管理規約を先にご確認ください。
- 承諾が難しい場合は、置き型の遮光ブラインドや、はがせる遮光シートなど、工事をしない方法から始められます。
くわしくは賃貸でできる窓の対策とマンションの内窓に整理しています。
迷ったときの見分け方
次の質問に答えると、まず何を優先するかが見えてきます。
- 寝室に入る光が気になるのは、カーテンのすき間・上下からですか。それとも窓全体からですか。→ すき間なら、カーテンの大きさや取り付け方を見直します。
- 暑さは、窓際が特に熱いですか。それとも部屋全体ですか。→ 窓際だけなら窓まわり、部屋全体なら冷房の能力や部屋の位置も見ます。
- 音は、外の車・人の声ですか。建物の中の音ですか。→ 外の音なら窓が関係しますが、建物の中の音は窓では変わりにくいです。
- 工事ができる住まいですか。→ 承諾が必要な住まいなら、先に承諾の確認をします。
- 費用の目安が分かりますか。→ 窓の種類・大きさで変わります。料金のページで確認できます。
よくあるご質問
遮光カーテンだけでは足りないと感じます。窓の工事をするべきですか。
すぐに工事を考える必要はありません。まず、カーテンの上下・左右のすき間を減らす、寝る位置を窓から離す、といった工夫を試してください。それでも暑さや音が残るときに、窓まわりの変更を検討する、という順番でも遅くありません。
内窓を付ければ、昼間でも静かに眠れますか。
外から入ってくる音は、やわらぐ場合があります。ただし、音の種類や、窓以外から入る音(壁・換気口・建物の中の音)によって変わります。現地で音の入り方を確認してからお伝えします。
夜勤のあとは、すぐに寝たほうがよいのでしょうか。
勤務の回数や生活の状況によって変わります。睡眠ガイドは、夜勤の頻度によって考え方が違うことを説明しています。このページでは眠り方の判断はしていません。睡眠の不調が続くときは、医療機関にご相談ください。
寝室が暑いのは窓のせいですか。
窓が原因の場合もありますし、屋根や外壁、部屋の位置が原因の場合もあります。寝室が暑い原因のページもあわせてご覧ください。
このページで参照した資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)
- 環境省 COOL CHOICE「断熱リフォームで夏本番も快適に! おうちの暑さ対策のコツ」(2021年6月)
- 気象庁「平年値(1991〜2020年)」那覇
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)
現地を見せていただいてから、正直にお伝えします
昼間に眠る人の寝室は、光・暑さ・音のどれが一番の原因かで、必要な対策が変わります。窓を見せていただき、どの方向から何が入ってくるかを確認したうえで、窓まわりで変えられること・変えられないことをお伝えします。窓ではないと分かれば、そう申し上げます。現地調査と見積りは無料です。まずはお問い合わせからご相談ください。

