内窓をつけたのに、夏は相変わらず暑い。道路の音もあまり変わらない。結露も出る。そんなとき、「意味がなかったのかな」と思うのは自然なことです。
ただ、暑さ・音・結露は、それぞれ原因の入り口が違います。内窓が働いていても、別の経路から熱や音が入っていて、差を感じにくいこともあります。逆に、使い方や条件のせいで、内窓の力が出にくくなっている場合もあります。
このページでは、「内窓は悪い」とも「誰にでも効く」とも決めつけず、原因を一つずつ確かめる順番をまとめます。
感じ方がずれる理由:効果の「種類」と「入り口」を分けて考える
内窓は、今ある窓の内側にもう1枚窓を付け、2枚の窓の間に空気の層をつくるものです。メーカー(YKK AP)は、この空気層と気密性の高まりで、音漏れの軽減や断熱が期待できると説明しています。
一方で、同じメーカーの資料には、効果が変わる条件も書かれています。たとえば防音は「取付け条件や音場、音域によって防音効果が異なります」とされ、結露は「窓の性能だけでなく、住まいや他の自然環境にも影響される」とされています。
つまり、効果は「窓に対して」出るものです。熱や音が窓以外から入っていれば、窓だけを変えても、体感は変わりにくくなります。
暑さを感じる場合に確認すること
沖縄は、那覇の月平均気温が7月で29.1℃、年平均で23.3℃です(気象庁平年値1991〜2020)。日射が強く、夏の暑さは窓だけで決まりません。
日射が「窓の外」で止まっていない
YKK APの資料では、太陽の熱は「室内側で遮ってもカーテンやブラインド自体が温まって室温上昇の原因に」なる一方、「室外側で遮れば、熱が入り込みにくくなります」とされています。LIXILの資料も、窓そのものや窓の外側で熱や直射日光を遮る対策の方が優れているとし、カーテンは補完と位置づけています。
内窓は、2枚の窓の間の空気層で熱の伝わりを抑える仕組みです。窓の外で日差しを止める「日よけ」とは役割が違います。西日が強い窓では、日よけの有無で体感が変わることがあります。詳しくは西日の対策も参考にしてください。
ガラスの種類が、暑さ向きでない場合がある
LIXILの資料では、Low-E複層ガラスには「遮熱型」と「断熱型」があると説明されています。遮熱型は室外側のガラスに金属膜をつけて日差しを抑え、夏向き。断熱型は室内側に金属膜をつけて太陽の熱を取り込み、冬向きとされています。
YKK APの資料でも、西日の強い窓には遮熱型、冬に日を取り入れたい南面の窓には断熱型というように、向きで使い分けるとよいとされています。どのガラスが入っているかは、施工した店の見積書や仕様書で確認できます。内窓のガラス選びも参照してください。
暑さの入り口が窓以外にある
屋根や壁、床からの熱、換気口やドアのすき間、室内の発熱(調理・家電)など、窓以外の入り口があります。沖縄は鉄筋コンクリート造が多く、建物そのものの暑さについてはRC住宅の暑さも参考になります。
音を感じる場合に確認すること
聞こえているのは「窓から入る音」か
YKK APの資料では、内窓によって、空気を伝わってくる音(空気音)は軽減が期待できるとされています。一方で、工事現場の音や隣の部屋の話し声のように、地面や壁を振動させて伝わる音(固体音)は、窓だけでは防ぐことが難しいとされています。また、室内の音環境は壁など建物の性能にも影響を受けるとされています。
LIXILの資料では、ドアや窓のすき間、換気口や吸気口は外の音が入りやすい場所とされ、ドアは壁より薄く小さなすき間がある、とも説明されています。
数字の見方
YKK APは、条件つきで内窓により外からの音を15dB低減するとしています。この数字は、一般的なアルミサッシと単板ガラス(5mm)の窓に、特定のガラスと空気層84mmの内窓を組み合わせた試算です。同社は、10dB下がると音が約半分に感じられる目安も示しています。
裏返すと、窓を閉めて音の大きさが変わっても、元の音が大きければ「まだ聞こえる」と感じる場合があります。また、音の高さ(音域)によって効果が違うとも書かれています。エンジン音のような低い音と、人の声のような高い音で、変化の感じ方が異なる場合があります。基地や空港の音は基地騒音、全般は防音のページも参照してください。
二重窓で「音がこもる」
同じメーカーの資料には、気密性が上がることで、部屋の中の音がこもる場合があると書かれています。これは窓の不具合ではないとされています。
結露が出る場合に確認すること
結露は、内窓をつければなくなるというものではありません。確認する点は次のとおりです。
- 内窓の内側が濡れるか、外窓の内側が濡れるか。 YKK APの資料では、内窓をつけても外窓(既存の窓)に結露が出ることがあり、条件によっては、外窓の結露が内窓設置前より多くなる場合もあるとされています。外窓は冷えたままで、室内の湿った空気が2枚の窓の間に入るためです。
- 内窓を少し開けたまま過ごしていないか。 暖房中に内窓を少し開けておくと、熱は伝わりにくい一方で水蒸気は入り続け、2枚の窓の間で結露しやすくなるとされています。
- カーテンや障子が内窓の前を塞いでいないか。 内窓が温まりにくく、水蒸気は通り抜けるため、結露しやすくなるとされています。
沖縄は、那覇の月平均湿度が6月で83%、年平均で73%と高めです(気象庁平年値)。室内の湿気そのものが多いと、窓の性能だけでは追いつかないことがあります。結露・カビのページも参照してください。
今日からできる確認の手順
違いを「気のせい」にしないために、記録を取る方法をお勧めします。
- 窓を閉め切って、同じ条件で比べる。 内窓・外窓とも閉めて、鍵(クレセント)まで掛けます。
- 時間帯を決める。 暑さは日射の強い午後、音は気になる時間帯に確認します。
- 温度計を窓際と部屋の中央に置く。 窓辺の温度と、窓から1〜2mの温度を、同じ時刻に見比べます。
- 音源を確認する。 窓を閉めたまま、換気口・ドア・壁のそばでも耳を澄まし、音が強く聞こえる場所を探します。
- 窓の状態を見る。 内窓が最後まで閉まるか、外窓との間に隙間風がないか、手やティッシュで確かめます。
窓以外の対策
- 暑さ:窓の外側の日よけ(シェード、すだれ、グリーンカーテン等)。エアコンが効かないも参照。
- 音:ドアや窓の枠まわりのすき間をテープでふさぐ、厚手のカーテン、防音型の換気口部材。ただし、換気を止めない範囲で行う必要があります。メーカー資料では、換気口を一時的にふさぐ場合も、1〜2時間ごとに窓を開けて空気を入れ替えるよう案内されています。
- 結露:換気、室内の湿気の発生を減らす、内窓の前に物を置かない。
窓では解決しない・向かないケース
- 音源が、隣の部屋の足音や、工事の振動、設備の低い振動音のように、壁・床・天井を伝わる音である。
- 暑さの主因が、屋根や壁、最上階の天井などにある。
- 外窓のゆがみやすき間が大きい。YKK APの資料では、内窓の施工は「上部開口8mmまでのゆがみに対応可能」とされ、それを超える場合は施工店での確認が必要とされています。
- 窓の開閉が多く、内窓を開けたままになりやすい。メーカー資料では、あまり開閉しない個室や寝室向きとされています。
こうした場合は、内窓以外の方法のほうが合うことがあります。弊社では、窓ではないと分かれば、そうお伝えします。
賃貸・マンションの場合
賃貸では、設置や原状回復の取り決めが先に必要です。マンションの窓は共用部にあたることが多く、管理組合への確認が必要です。LIXILの資料でも、共有部は自己判断でリフォームできず、管理組合に確認するよう案内されています。詳しくは賃貸の場合、マンションの内窓をご覧ください。
施工店に相談する目安
次のどれかに当てはまる場合は、現地での確認をお勧めします。
- 内窓の鍵がかかりにくい、すき間風を感じる。
- 内窓と外窓の間に、閉めていてもいつも水滴がある。
- 窓を閉めた状態で、音が入る場所が窓か換気口かドアか、見当がつかない。
- どのガラスが入っているか分からない。
見積書や仕様書があれば、お手元に用意してご相談ください。
よくあるご質問
内窓は意味がないのですか。
一概には言えません。メーカーは、断熱・防音・結露の軽減が期待できるとしていますが、条件によって差があるとも説明しています。ご自宅で何が主因かを確かめるのが先です。
夏は内窓で涼しくなりますか。
窓の向き、ガラスの種類、日よけの有無で変わります。一般に、日射は窓の外で止めたほうが室内側で遮るより熱が入りにくいとされています。内窓は断熱の面で役立つ場合がありますが、日射対策と合わせて考えるのが現実的です。電気代も関係します。
外窓が結露するのは、施工が悪いからですか。
一概には言えません。メーカー資料でも、内窓設置後に外窓が結露する場合があると説明されています。ただし、内窓の気密に問題がある場合もあるため、状態を見てもらうのが確実です。
内窓を開けたまま過ごしてもいいですか。
暖房中に少し開けておくと、2枚の窓の間で結露しやすいとされています。普段は閉めておくほうが、内窓の働きは出やすくなります。
このページで参照した資料
- YKK AP「内窓をつける」(内窓の効果と注記)
- YKK AP「窓の防音対策」コラム
- YKK AP 防音・遮音のページ(15dB低減の算出条件・音域・音場)
- YKK AP「内窓(二重窓・二重サッシ)とは?」コラム
- YKK AP よくあるお問い合わせ「内窓設置後の外窓の結露を抑制する方法」
- YKK AP「部屋の暑さをなんとかしたい!」(2026年4月時点)
- YKK AP「騒音や音漏れを防ぎたい」
- LIXIL「内窓・二重窓の基礎知識」
- LIXIL 住まいのオーナーズ「暑さを防ぐカギは『窓』にあり」
- LIXIL 住まいのオーナーズ「防音リフォームで生活音を抑える」
- LIXIL 住まいの豆知識「近隣の騒音対策をするには?」
- 気象庁 平年値(1991〜2020)那覇

