朝、遮光カーテンをきちんと閉めて出かけた。夕方に帰ると、部屋に入った瞬間にむっとする。カーテンの前に立つと、布そのものが温かい。そんな経験はありませんか。
「遮光カーテンなのに、効果がないのでは」と感じるのは自然なことです。ただ、カーテンが悪いというより、カーテンが得意なことと苦手なことが分かれている、というのが実際のところです。
このページでは、なぜ閉めても暑いのか、自分でできる対策、窓まわりで変えられること、そして窓では解決しないことを、順に書きます。
なぜカーテンを閉めても暑いのか
日射はガラスを通ってから、カーテンで熱になります
夏の日差しは、窓ガラスを通り抜けて室内側に入ってきます。カーテンはその内側にあります。つまり、日射はすでに家の中に入ったあとで、カーテンに当たることになります。
カーテンの布に当たった日射は、光が熱に変わります。温まった布は、その熱を室内側へ放ちます。国土技術政策総合研究所・建築研究所監修の設計ガイドライン(2005)をもとにした解説では、窓の内側につける日除けは吸収した熱を室内側へ放熱し、外側につける日除けは吸収した熱を屋外へ放熱する、と説明されています。カーテンが「温かい」のは、このためです。
窓は、熱の出入りが大きい場所です
住宅に入る熱のうち、窓などの開口部から入る割合は大きいことが知られています。日本建材・住宅設備産業協会の資料を引いた図(全国地球温暖化防止活動推進センターが作成)では、夏季は約70%の熱が窓から侵入するとされています。資料によって70%台前半の数字も使われています。これらは、一般的な住宅を想定した試算です。お住まいの窓の大きさ、向き、ガラスの種類によって割合は変わります。
「遮光」と「遮熱」は別のものです
環境省の資料では、遮光カーテンは光をさえぎる度合いで1級から3級までの等級があり、寝室を暗くしたり、朝日や西日を遮ったり、プライバシーを守ったりといった目的で選ぶものとされています。
一方の遮熱カーテンは、業界で決まった基準はなく、メーカーごとに独自のカット率やランクが表示されている、と同じ資料に書かれています。鏡のように反射させる、裏地にコーティングをする、繊維を織り込むといった方法で、熱を伝わりにくくしています。
つまり、「遮光1級」と書かれていても、熱をどれだけ抑えられるかは別の話です。暗くなることと、涼しくなることは、同じではありません。
沖縄では、日射の時間が長く、湿度も高めです
那覇の月平均気温は、気象庁の平年値(1991〜2020年)で7月が29.1℃、相対湿度は78%です。年平均でも気温は23.3℃、湿度は73%です。日射が強く、気温も湿度も高い時期が長いため、窓まわりに入った熱が部屋にこもると、エアコンを使っても「効きにくい」と感じやすくなります。
また、沖縄の住宅は非木造が96.5%、鉄骨鉄筋コンクリート造が93.8%と多く、共同住宅が60.9%、借家が50.7%です(令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点、令和7年3月)。コンクリートの住まいで熱がこもりやすい理由はRC住宅の暑さのページでも解説しています。
カーテンの種類と、それぞれの限界
窓の内側につける日除けは、種類によって日射熱取得率(窓に当たった日射熱のうち、室内に入る熱の割合を表す数値)が違います。次の表は、先ほどの設計ガイドライン(2005)の数値を、YKK APが公開しているものです。条件は「普通複層ガラスの窓に取り付けた場合、庇・軒なし」です。
| 日除けの種類 | 日射熱取得率(小さいほど遮る) |
|---|---|
| 何もつけない | 0.79 |
| レースカーテン(内側) | 0.53 |
| 内付けブラインド | 0.45 |
| 紙障子 | 0.38 |
| 外付けブラインド(外側) | 0.17 |
この表からわかるのは、次のことです。
- レースカーテンも内付けブラインドも、日射熱を減らす働きはあります。ただし、外付けブラインドと比べると、室内に入る熱の割合は大きいままです。
- 内側につけるものは、種類を替えても、外側につけるものほどの差は出にくい傾向があります。
- 数値は試験体での値です。実際の窓では、方位、ガラスの種類、庇の有無、カーテンの生地や色で変わります。
遮熱カーテンやレースカーテンの種類による違いは、メーカーの表示や試験データで確認するのが確実です。環境省の環境技術実証事業では、特定のレースカーテンについて、一般品と比べた冷房負荷の低減を数値計算で示した例がありますが、これは製品と条件を限った計算値です。ほかの製品や、ほかの家に当てはまるとは限りません。
外側で遮るほうが、考え方として効率的です
環境省のデコ活のページには、「日射対策は、室内よりも窓の外側で行い、窓自体の温度をあげないことが大事」と書かれています。外側で対策をしないと、日が沈んでもガラスの表面が熱を持ち続け、部屋が暑くなる原因になる、とも説明されています。
外側の日除けには、次のようなものがあります。
- すだれ・よしず:環境省のグリーンカーテンの解説では、すだれの遮蔽率は50〜60%程度とされています。熱を通しにくく、風を通せる点も特徴です。
- サンシェード・オーニング・外付けブラインド:窓の外側に取り付けるものです。YKK APの資料では、外付けの日よけで日射を6〜8割以上カットするとされていますが、これはメーカーの表示で、保証値ではないと注記されています。
- 緑のカーテン:環境省は、葉が十分に茂った状態で日射の熱エネルギーの約80%をカットする遮蔽効果があるとしています。ただし、育つまでに時間がかかり、台風の多い沖縄では強風や塩害への備えも考える必要があります(台風は台風と窓、塩害は塩害と窓で触れています)。
沖縄は台風が多いため、外付けの日除けは、強風の日に取り外せる、または収納できるものを選ぶことが大切です。YKK APの資料でも、強風時は収納することが勧められています。
今日からできること
窓を替えなくても、日射の入り方を減らす方法はあります。
- 窓の外側に、すだれ・よしず・サンシェードを掛ける。 日が当たる南側と西側の窓から始めます。賃貸でも、取り外せるものであれば取り入れやすい方法です。
- 日中、使わない部屋のカーテンも閉めておく。 環境省のページでも、日中使わない寝室にも対策をしておくと、熱がこもりにくいとされています。
- カーテンは、厚手で床まで届くものや、裏面が反射加工されたものを選ぶ。
- 窓を開けて風を通せる時間帯は、通風を使う。 外側の日除けは、窓を開けても日差しを遮れる点が利点です。
- 家具の配置を見直す。 窓際のソファやベッドに熱がたまるときは、少し離すだけでも体感が変わる場合があります。
日射を遮ることと、風を通すことは、ときに両立しにくい場合があります。たとえば、遮光カーテンを隙間なく閉めると日射は減りますが、風も通りにくくなります。外側の日除けは、この両立がしやすい方法の一つです。
窓まわりで変えられること
自分でできる対策で足りないとき、窓そのものを見直す選択肢があります。何が向くかは、窓の向き、ガラスの種類、住まいの形で変わります。
遮熱型Low-E複層ガラス
Low-Eは、ガラスの表面に特殊な金属膜をつけたものです。遮熱型は、日射を反射して室内に入れにくくする設計です。先ほどのYKK APの資料では、条件が同じ(庇・軒なし、日除けなし)場合、普通複層ガラスの日射熱取得率が0.79、遮熱型Low-E複層ガラス(空気層6mm)が0.42〜0.55、と示されています。数値は、組み合わせる日除けでも変わります。
ガラスだけを交換する工事は、サッシの種類や状態によっては対応できない場合があります。現地で確認が必要です。
内窓
今ある窓の内側に、もう一枚窓を取り付ける方法です。内窓に遮熱型のガラスを入れる選択肢があります。YKK APが公表している二重窓の日射熱取得率一覧では、外窓と内窓のガラスの組み合わせ、さらに外付けブラインドの有無などで値が変わることが示されています。つまり、内窓を付けるだけでなく、どのガラスを入れるかで結果が変わります。詳しくは内窓のガラス選びをご覧ください。
内窓は、日射熱だけでなく、断熱や防音、結露にも関わります。内窓とは、結露・カビ、防音も参考になります。
遮熱フィルム
既存のガラスに貼るフィルムです。環境省の省エネ対策の資料では、遮光(遮熱)フィルムは日射熱をカットして熱が室内に入るのを防ぎ、断熱効果で室内の熱の放射を防ぐ、とされています。
注意点もあります。フィルムは日射の一部を吸収するため、ガラスの温度が上がり、熱割れのリスクが高まることがあります。3Mの資料でも、網入りガラスや複層ガラスでは熱割れのリスクが高いとされ、条件を確認した上で選ぶ必要があるとしています。また、環境省の資料では、フィルムの表現や効果はメーカーによって異なる、とされています。
内窓との違いは遮熱フィルムと内窓で整理しています。
カバー工法(窓の取り替え)
今ある窓枠の上から新しい枠をかぶせ、サッシとガラスを一新する工事です。ガラスの種類を遮熱型Low-Eにしたり、サッシの性能を上げたりできます。内窓との違いは内窓とカバー工法、工事の概要は窓のカバー工法で説明しています。
西日が強い窓の場合
午後の日射が強い向きの窓は、とくに熱がこもりやすい傾向があります。西日対策のページもあわせてご覧ください。
窓では解決しない・向かないケース
正直にお伝えしたいことがあります。どの対策でも、暑さをゼロにはできません。
- 日射は窓以外からも入ります。 屋根や壁が熱を持つと、その熱は室内にも伝わります。最上階や、屋根に近い部屋では、窓だけでは足りないことがあります(2階が暑い)。
- 外気温と湿度は、窓では変えられません。 沖縄の夏は気温も湿度も高いため、窓を替えても、エアコンなしで快適になるわけではありません。
- エアコンの能力や設置の問題もあります。 部屋の広さに対して能力が足りない、フィルターが汚れているなどの場合は、窓の対策だけでは変わりにくいです(エアコンが効かない)。
- 窓が小さい、または日が当たらない部屋では、効果を感じにくい場合があります。 原因が別にあることが多いからです。
- 外付けの日除けは、取り付けられない場合があります。 集合住宅の共用部の規約、ベランダの形、強風への対策などで、制約が出ます。
- 日射を遮ると、部屋が暗くなります。 採光が必要な部屋では、遮光と明るさのバランスを考える必要があります。
- 通風と日射遮蔽は、両立しにくい場面があります。 風を通したいときは日除けを外に付ける、閉めたいときは閉める、というように、時間帯で使い分けることになります。
また、暑さが続く時期は、室内でも熱中症が心配になります。室温や湿度の見方は室内熱中症のページをご覧ください。
賃貸・マンションの場合
賃貸やマンションでは、窓やサッシが共用部分にあたる場合があり、管理規約や貸主の承諾が必要になることがあります。外付けの日除けは、ベランダの使い方に規約があることもあります。取り付ける前に、管理会社や管理組合へご確認ください。
内窓の考え方は住まいの条件で変わります。詳しくは賃貸の場合、マンションの内窓をご覧ください。
迷ったときの見分け方
次の項目で、どこから手をつけるか見当がつきます。
- 日が当たる時間帯は、いつですか。(朝・昼・夕方)
- カーテンに触れたとき、布が温かいですか。(温かい場合は、日射がカーテンで熱に変わっているサインです)
- 窓ガラスそのものが、夜になっても熱いですか。(熱い場合は、外側での遮蔽を先に考えます)
- 外に日除けを付けられる場所がありますか。
- 賃貸ですか、持ち家ですか。
- 暑さを感じるのは窓際だけですか、部屋全体ですか。(部屋全体なら、窓以外の要因も確認します)
- 電気代の悩みが大きいですか。(電気代のページもご覧ください)
窓際だけが暑いなら、日射対策の効果を感じやすい可能性があります。部屋全体が暑いなら、窓以外の要因も一緒に見る必要があります。
よくあるご質問
遮光カーテンを二重にすれば、涼しくなりますか。
枚数を増やせば、日射熱を減らす働きは増えます。ただし、カーテンは窓の内側にあるため、外側で遮るものと比べると、室内に残る熱の量は大きいままです。窓の外側の対策と組み合わせるほうが、考え方として効率的です。
レースカーテンは閉めたままのほうがいいですか。
日射が強い時間帯は、レースカーテンでも日射熱を減らす働きがあります。前に示した表では、普通複層ガラスの場合、何もつけないときの0.79に対して、レースカーテンで0.53です。ただし、夜や曇りの日は、風を通すために開けておくのも一つの方法です。
遮熱フィルムは、どの窓にも貼れますか。
貼れないガラスがあります。網入りガラスや複層ガラスなどでは、熱割れの可能性を確認する必要があります。メーカーや施工店に、お使いのガラスで貼れるかを確認してください。
内窓をつければ、カーテンはいらなくなりますか。
内窓だけで日射を遮るわけではなく、ガラスの種類で結果が変わります。目隠しや採光の調整のために、カーテンは引き続き使うことが多いです。内窓と、すだれなど外側の日除けの組み合わせを考えるほうが、現実的です。
このページで参照した資料
- 環境省「省エネライフスタイルカレンダー(6月〜9月)」(遮光カーテン・遮熱カーテン・フィルム・すだれの説明)
- 環境省 デコ活「暑い夏のおうち時間を省エネ&快適に過ごすコツ」(令和3年7月)
- 環境省 COOL CHOICE「グリーンカーテンの涼しさのヒミツ」
- 環境省 環境技術実証事業(ヒートアイランド対策)レースカーテン関連の報告
- 環境省 脱炭素ポータル「窓の断熱性・遮熱性向上(遮光フィルム)」概要シート
- 国土交通省「省エネ性能向上のための窓の性能表示制度」リーフレット
- YKK AP「日射熱取得性」(出典:国土技術政策総合研究所・建築研究所監修『自立循環型住宅への設計ガイドライン』2005)
- YKK AP「二重窓の日射熱取得率一覧」(平成28年省エネ基準・非木造、2025年6月改訂)
- YKK AP「日よけ・ひさし・ルーバーをつける」
- 全国地球温暖化防止活動推進センター/日本建材・住宅設備産業協会「冷暖房時の開口部からの熱流出入割合」(埼玉県資料に掲載)
- 3M「熱割れ計算で最適なフィルムを選定」(2026年版事例資料)
- 気象庁 平年値(1991〜2020年)
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)
現地を見せていただいてから、お伝えします
窓まわりの暑さは、窓の向き、ガラスの種類、建物の構造、エアコンの状況で原因が変わります。マドアーズ!沖縄では、現地調査・お見積りを無料で承っています。見せていただいたうえで、窓の対策で変えられる範囲と、窓では変えられない範囲を、できるだけ正直にお伝えします。窓ではなく、すだれや外付けの日除け、エアコンの見直しが先だと分かった場合は、そう申し上げます。料金の目安は料金のページ、補助金は補助金のページ、ご相談はお問い合わせから承ります。

