目次
- 沖縄の熱中症は、いちばん多く起きている場所が「住居」です
- 沖縄だけ、6月に跳ね上がります
- 6月は、那覇の湿度が1年でいちばん高い月です
- 国の「暑さ指数」は、屋内の計算式に気温が入っていません
- 室温計だけを見ていると、見落とすことがあります
- 沖縄は、熱中症警戒アラートが出にくい地域です
- 窓から入る日射は、暑さ指数の「黒球温度」を押し上げます
- 内窓でできること
- 内窓ではできないこと(正直にお伝えします)
- 「何℃下がります」と数字でお伝えしない理由
- 高齢のご家族がいるお住まいで、先に見ておきたい部屋
- 沖縄は重症化率が全国より低い、という数字もあります
- マンション・賃貸にお住まいの場合
- 費用と補助金のこと
- まずは、お部屋を見せてください
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「外に出ていないのに、なんだか気分が悪くなった」——熱中症は屋外で起きるもの、というイメージをお持ちの方が多いのですが、沖縄で救急搬送されている方のいちばん多い発生場所は、実はご自宅の中です。
このページでは、消防庁の令和8年(2026年)確定値、環境省の「暑さ指数(WBGT)」、気象庁の那覇の平年値という公的な数字だけを使って、沖縄の家の中で何が起きているのかを整理します。そのうえで窓でできること・できないことを、那覇の窓とドアの専門店として正直にお伝えします。
沖縄の熱中症は、いちばん多く起きている場所が「住居」です
総務省消防庁の月別確定値は、発生場所を「住居」「道路」「仕事場」などに分けて集計しています。令和8年7月の全国の搬送人員41,174人のうち、住居が17,160人(41.7%)で最多。次いで道路が8,643人(21.0%)でした。
沖縄県だけを取り出すと、同じ7月の搬送416人のうち住居が170人=40.9%(当社算出)。6月はもっと極端で、搬送210人のうち住居が95人=45.2%(当社算出)。同じ月の全国の住居割合は36.1%ですから、沖縄の6月は全国より9ポイント以上、家の中での発生に偏っています。
出典:総務省消防庁「令和8年6月/7月の熱中症による救急搬送状況」(資料5-2 都道府県別の発生場所別救急搬送人員)
沖縄だけ、6月に跳ね上がります
もうひとつ、沖縄と全国では「季節の山の形」がまるで違います。消防庁の確定値を月別に並べるとこうなります。
全国:5月 4,176人 → 6月 4,064人 → 7月 41,174人
沖縄県:5月 94人 → 6月 210人 → 7月 416人
全国は6月にほとんど増えていません。5月からむしろ少し減っているくらいで、7月に一気に10倍になります。ところが沖縄は6月の時点ですでに5月の2.2倍です(当社算出)。
全国に占める沖縄県の割合で見ると差はもっとはっきりします。5月2.3%、6月5.2%、7月1.0%(いずれも当社算出)。件数は6月210人から7月416人へ倍増しているのに、全国比では5分の1に下がる。7月になってようやく全国が沖縄に追いついてくるという形です。
「7月に入ったら気をつけよう」という全国向けの感覚をそのまま持ち込むと、沖縄ではいちばん危ない時期を丸ごと外してしまいます。
6月は、那覇の湿度が1年でいちばん高い月です
では、なぜ6月なのでしょうか。気温だけを見ていると説明がつきません。気象庁の那覇の平年値(1991〜2020年)では、日最高気温の平均は6月29.8℃、7月31.9℃。6月のほうが2℃以上低いのです。
変わるのは湿度です。那覇の月平均相対湿度は6月が83%で年間の最高値。7月と8月はどちらも78%、年平均は73%。梅雨にあたる6月だけ突出しています。
出典:気象庁「那覇 平年値(年・月ごとの値)詳細(気温・蒸気圧・湿度)」
国の「暑さ指数」は、屋内の計算式に気温が入っていません
熱中症の危険度をあらわす公式の指標が、環境省の暑さ指数(WBGT)です。1954年にアメリカで提案され、1982年にISOで国際規格になりました。
この暑さ指数には、屋外用と屋内用の2つの計算式があります。
屋外:WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
屋内:WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
大事なのは、屋内の式には「乾球温度」——つまり普通の温度計で測る気温——が一切入っていないことです。入っているのは湿り気を反映する湿球温度が7割と、日射や輻射熱を反映する黒球温度が3割の2つだけ。国は家の中の熱中症リスクを「気温では測れないもの」として定義しているわけです。
そして重みの7割は湿度側にあります。那覇の湿度が年間で最も高いのが6月という気象庁の数字と、沖縄の搬送が6月に跳ね上がるという消防庁の数字は、この式の上できれいにつながります。
出典:環境省「暑さ指数(WBGT)の詳しい説明」
室温計だけを見ていると、見落とすことがあります
お部屋の温度計が28℃を指していても、湿度が80%を超えていれば暑さ指数の上ではもっと厳しい状態です。逆に同じ28℃でも空気が乾いていれば余裕があります。式の7割が湿球温度なのですから、当然といえば当然です。
日本生気象学会がまとめ、環境省が紹介している「日常生活に関する指針」では、目安がこう示されています。
31以上=危険:すべての生活活動でおこる危険性。高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
28以上31未満=厳重警戒:外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
「高齢者においては安静状態でも」という一文は、そのまま読むべきだと思っています。何かをしていたからではなく、座っているだけでも起きうると国の指針が書いているのです。
環境省のサイトでは全国841地点の暑さ指数が無料で公開されています。窓をご相談いただく前に、お住まいに近い地点をご覧になるだけでも判断が変わります。
沖縄は、熱中症警戒アラートが出にくい地域です
ニュースでよく流れる熱中症警戒アラートは、翌日または当日の日最高暑さ指数が33に達すると予測される場合に、府県予報区ごとに発表されます。
ここに沖縄特有の落とし穴があります。当社が2026年9月1日17時発表時点の状況を確認したところ、全国16の区分にアラートが発表されている一方、沖縄の4地方(沖縄本島・大東島・宮古島・八重山)はいずれも発表なしでした。翌9月2日も全国14区分に対し、沖縄は4地方とも発表なしです。
理由は気温です。気象庁の平年値では、那覇の猛暑日(日最高35℃以上)は年間わずか0.2日。7月と8月に0.1日ずつあるだけで、ほとんどの年は1日もありません。一方で真夏日(30℃以上)は年間102.5日、熱帯夜(日最低25℃以上)は年間107.3日。ピークは低いけれど、暑い期間がとにかく長いのが沖縄の気候です。
アラートが出ないことは、危険がないことを意味しません。実際、アラートがほとんど出ない沖縄で、6月には全国の5.2%にあたる方が搬送されています。「今日はアラートが出ていないから大丈夫」という判断のしかたは、沖縄ではうまく働きません。
出典:環境省「熱中症警戒情報とは」「発表状況と発表履歴」(2026年9月1日17時発表分を当社確認)、気象庁「那覇 平年値」
窓から入る日射は、暑さ指数の「黒球温度」を押し上げます
ここでようやく、窓の話になります。
屋内の式で残る3割を占めるのが黒球温度です。環境省の説明では「直射日光にさらされた状態での球の中の平衡温度」で、日なたの体感温度とよく相関するとされています。要するに日射と、まわりの物から出る輻射熱を拾う項目です。
窓から差し込む日射と、日射で温まった床・壁・家具が出す輻射熱は、黒球温度に直接効きます。
沖縄では方位も無視できません。那覇は夏の南中高度がほぼ真上まで上がるため南向きの窓には庇(ひさし)が効きますが、西向きの窓には庇がほとんど効きません。仕組みは沖縄の西日対策で詳しくご説明しています。
内窓でできること
内窓(二重窓)を今ある窓の内側に付けると、次の2つが起こります。
ひとつは、ガラスの選び方で日射の入り方が変わること。遮熱タイプのLow-E複層ガラスは日射熱の入りかたを抑える方向に働きます。暑さ指数でいえば黒球温度の側に効く話です。逆に断熱タイプは冬向けの性質が強いので、沖縄では遮熱か断熱かの選択で結果がはっきり変わります。この考え方は内窓のデメリットと後悔しない選び方で、国の省エネ基準の考え方も含めて整理しています。
もうひとつは、冷房の効きが変わること。窓まわりから熱が出入りしにくくなると、設定温度に届くまでの時間と、届いたあとの落ち着き方が変わります。除湿運転で湿度が下がりやすくなるお住まいもあります。暑さ指数の7割は湿球温度でしたから、湿度を下げられることは体感以上に意味があります。
ただし「エアコンをつけているのに効かない」原因は窓とは限りません。機器側を先に潰す手順を沖縄でエアコンが効かないときに、冷房費は沖縄の電気代と窓にまとめています。
内窓ではできないこと(正直にお伝えします)
売る側が書きにくいことですが、ここを曖昧にしたまま工事をしても、お互いにいいことがありません。
内窓は、熱中症を防ぐ製品ではありません。水分補給やエアコンの適切な使用に置き換わるものでもありません。環境省も対策の第一に「屋内では、エアコン等を適切に使用し、涼しい環境で過ごす」ことを挙げています。窓は、その環境をつくりやすくするための一要素です。
エアコンの修理や入れ替えは、当社の領分ではありません。ガス漏れ、能力不足、室外機の設置状況といった機器側の問題は専門の業者さんにご相談ください。
屋根の遮熱塗装や外壁の断熱工事も承っていません。沖縄の住宅は非木造が96.5%、うち鉄筋・鉄骨コンクリート造が93.8%です(令和5年住宅・土地統計調査)。躯体の熱の溜まり方は沖縄のコンクリート住宅が暑い理由で整理していますが、躯体側の工事は専門業者さんの仕事です。
停電時に室内を涼しく保つ手段でもありません。台風で電気が止まったときの備えは、窓とは別に考える必要があります。
「何℃下がります」と数字でお伝えしない理由
当社は、内窓を付けたら室温が何℃下がる、電気代が月いくら安くなる、といった数字をこちらから申し上げないようにしています。
理由は単純で、住まいの条件で結果が変わりすぎるからです。窓の向き、階数、周囲の建物の影、お部屋の広さ、エアコンの能力、生活時間帯、今お使いの窓の状態。同じ製品を同じように付けても、体感は同じになりません。
暑さ指数も同じです。環境省自身が「個々の場所の暑さ指数は、環境によって大きく異なります」と注意書きを添え、身近な場所での実測を勧めています。国が地点ごとの差を認めているものを、当社が事前に「何ポイント下がります」と申し上げるのは筋が通りません。
現地を見せていただいたうえで、正直にお伝えします。窓を触っても大きくは変わらないと思われる場合は、その旨をそのまま申し上げます。仕上がりは沖縄での施工事例をご覧ください。
高齢のご家族がいるお住まいで、先に見ておきたい部屋
消防庁の令和8年7月の集計では、全国の搬送人員のうち65歳以上の高齢者が60.2%。年齢が上がるほど暑さを感じにくくなることが知られています。
そこに、暑さ指数の指針の「高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい」を重ねると、ご本人が「暑くない」とおっしゃっているお部屋こそ、いちばん確認が要るということになります。優先したいのは次のようなお部屋です。
・日中ひとりで過ごされる部屋。誰も気づけない時間が長い場所です。
・西向きの窓がある部屋。午後から夕方にかけて条件が悪くなります。
・エアコンを付けていない部屋。廊下や洗面所、物置がわりの一室で倒れる例があります。
・寝室。那覇の熱帯夜は年間107.3日で、7月と8月はほぼ毎晩です。夜については寝室だけ内窓という考え方にまとめています。
なお、冷房を強くかけると今度は窓まわりに結露が出ることがあります。沖縄では冬ではなく夏の冷房で起きるのが特徴で、沖縄の結露とカビで仕組みをご説明しています。
沖縄は重症化率が全国より低い、という数字もあります
令和8年7月の初診時の傷病程度別では、全国で入院が必要な中等症・重症の方が41.4%。同じ月の沖縄県は搬送416人のうち中等症105人・重症9人・死亡2人で合わせて27.9%(当社算出)と、全国より13ポイントほど低い水準です。
搬送される方は多いけれど、重くなる割合は低い。理由は県単位の分析が公表されていないため断定できません。ただ「沖縄は危ない」と煽る話ではないことは数字の上でも言えます。そのうえで、家の中で起きていること、6月に山が来ることは変わりません。
マンション・賃貸にお住まいの場合
沖縄は共同住宅の割合が60.9%で全国2位、持ち家率は42.6%で全国最低です(令和5年住宅・土地統計調査)。マンションや賃貸にお住まいの方のほうが多い県です。
分譲マンションの窓は共用部分の扱いになるのが一般的ですが、内窓は住戸の内側に付けるため、多くの管理組合で承認を得て設置できます。手続きは沖縄のマンションで内窓を付けるときにまとめました。賃貸は貸主さまの承諾と退去時の扱いを先に決めるのが要点で、賃貸・アパートの内窓でご説明しています。
費用と補助金のこと
内窓は国の先進的窓リノベ2026事業の補助対象で、窓の大きさとガラスのグレードで補助額が決まります。制度の内容は先進的窓リノベ2026(沖縄)と窓リフォームの補助金にまとめています。
ご注意いただきたいのは、この補助金は消費者ご自身では申請できない点です。事業者登録をしている施工店と契約し、事業者が申請する仕組みです。依頼先が登録事業者かどうかを工事前にご確認ください。
費用感は料金のご案内に掲載しています。1部屋だけ、窓1か所だけのご依頼も承っています。内窓(二重窓)についてもあわせてご覧ください。
まずは、お部屋を見せてください
ここまで数字を並べてきましたが、お伝えしたかったことは3つだけです。
ひとつめ。沖縄の熱中症は、いちばん多く家の中で起きています。令和8年6月は搬送された方の45.2%が住居でした。
ふたつめ。沖縄の山は6月に来ます。全国が動き出す7月を待っていると、いちばん条件の悪い月を素通りします。
みっつめ。国の暑さ指数は、屋内の計算式に気温を入れていません。室温計だけでは判断しきれない、というのが国の立場です。
そのうえで、窓が効くお住まいと、そうでもないお住まいがあります。どちらなのかは、実際に拝見しないと分かりません。お部屋の向き、窓の状態、生活の時間帯を見せていただいたうえで正直にお答えします。ご相談やお見積りは無料です。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめてあります。
この記事で使った出典
総務省消防庁「令和8年5月/6月/7月の熱中症による救急搬送状況」/環境省 熱中症予防情報サイト(暑さ指数とは?・詳しい説明・熱中症警戒情報とは・発表状況と発表履歴)/気象庁「那覇 平年値」(1991〜2020年)/総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
「当社算出」と記した割合は、上記の公表値から当社が計算したものです。アラートの発表状況は2026年9月1日時点の確認内容で、日々変わります。






